ほぼ全てを自社で蒸留したオイルで作り上げたという完全な自社製品。展示会でいつもお会いするブルガリアの友人から、お土産として頂いたものなのですが、この香水の素晴らしいところは、精油そのままの香りだ、という嘘偽りのない点にあります。しかも、ローズオットーの結晶がキラキラと光るのです。そう、精油に馴染みのある方ならばご存じかと思いますが、ローズオイルは常温でも結晶化します。香料として使用する際はその凝固する成分を除去したりもするのですが、こちらはそれを敢えてクリスタルと名付けることで商品化したのです。

肌に乗せた瞬間、ジュニパーベリーがクラリセージと共に雨マティックに香り、次の瞬間からローズへと切り替わります。精油感抜群な、アロマティックなローズ。それはファンシーで可愛らしいタイプではなく、やはりローズオットーやアブソリュートのワイルドで生命力に溢れた香りですから、ハーブたちの香りがとても似合うのです。絵画の中のローズでもない、花束のローズでもない、それはハーブ園の脇で咲いている野性味あふれるローズ。ローズオットーが先に香り、時間と共にアブソリュートへとバトンタッチしている様子も楽しめ、お土産品とは思えない豪華さです。価格も控えめですので、ありがたいですよね。

(31/08/2017)