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Sampleレヴュー (Cineres Collection)

 

灰のコレクションと名付けられた2つのExtrait de Parfum。アトリの街では、冬至の前にファウニというお祭りが開催されます。それは、夜中から明け方まで続く炎の儀式で、町中を松明をもった人々が練り歩き、最後は教会の広場でお焚き上げをする、というもの。農業の繁栄を祝うキリスト教の儀式なのだそう。価格は100mlの1サイズで240ユーロ。サンプルは2つのセットで25ユーロとなっています。


■Favni (2016年)

ギリシア神話の中の牧神パンと同じで、家畜と農作物を守る森の神。彼らは、この香りのために自身のラボでガーデニアの浸出液を作りました。

 

 

トップ:フローラルグリーンアコード
ミドル:ガーデニアティンクチャー、イランイラン、ウッディアコード、フランキンセンス
ベース:スマトラベンゾイン、トルーバルサム、ムスクアコード、アンバーアコード

肌に乗せるとなるほど、いるいるガーデニアが。ガーデニアの花の酸味にベンゾインやバルサムの香りが重なっているのですが、フランキンセンスとイランイランがガーデニアを彩り、生花っぽいニュアンスと教会の神聖な雰囲気の両方を感じられる組み合わせとなっています。少しバルサムが強いかな、とは思いますが、とても美しいフロリエンタルとなっていますので、これはこれでとても美しいまとまりで、時間と共にバルサムが薄れてフランキンセンスが前に出てくるようになり、最終的には少しハニー調のフランキンセンスが肌にの残ります。この中の花の浸出液特有の酸味がなんとも言えないほどリアルで、手作りしたことのある方ならその特有香にハッとするはず。(30/06/2017)


■Ignes (2016年)

炎を意味するラテン語がタイトルに。ファウニのお祭りの松明のイメージですね。

 

 

トップ:サワーアコード
ミドル:タバコアブソリュート、ペルーバルサム、パチョリ、ラブダナムアブソリュート、マリンウッディアコード
ベース:ベチバー、サンダルウッド、ムスクアコード、アンバーアコード

アブソリュート系をたくさん使いました、と香るだけでわかるスモーキーオリエンタルで始まります。タール系のスモーキーノートにタバコのアブソリュート、ベチバー、ラブダナムが重なり、その上にアクセントとしてラム酒のような酸味が重なっています。その酸味は持続せずに消えていきますが、この香りの中のアクセントとしてはとてもユニークで、シトラスよりも有効です。スモーキーさの名残が感じられるスモーキーウッディムスクが肌に残るのですが、松明のイメージにぴったりで、酸味はきっと炎の色なのでしょう。グイグイと香り続けるタイプのオリエンタルではなく、そっと香り続けるパルファムであるのも好印象。(30/06/2017)

 

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