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Sampleレヴュー

■Amytis (2023年)

世界七不思議に数えられる古代バビロニアの空中庭園。アミティスはバビロニアの王妃で、彼女のために造られたとされています。調香はMichele Marinが担当。

 

 

グリーンノート、マリンノート、ガルバナム、ベルガモット、グレープフルーツ、ジャスミン、ローズ、ピンクペッパー、フィグ、イランイラン、サンダルウッド、パチョリ、ムスク

香りは弾けるグリーンマリンでスタートです。グリーンでマリンなのに、そこに重なるトロピカルなフルーティーフローラル感。それをグッと大人っぽくするパチョリのアクセント。とても湿気た感が感じられるのですが、それが清々しい空気感ではなくどこかジャングル風にも感じられるのです。アミティスが空中庭園を散歩している様子を表現したためにマリンノートが噴水のように入っているようなのですが、空中庭園で暑い中でミストを撒いていたら、こういう香りに合いそうです。マリンが強すぎず、グリーンも後を引かず、ジャングル風のトロピカルフローラルとなって終わります。

サンプルにはハートの小さなチャームンが入っているのですが、そこにはピンもついており、香りをしみ込ませて胸ポケットに飾ってね、というアイデアです。(18/04/2023)

 

 

■Ankh Sun Amon (2017年)

アンケセナーメンと読むそう。でもそれ以上に衝撃だったのは、ツタンカーメンはTut Ank Hamonと書くこと。知っていて当然の史実を正しく表記出来ないなんて。Ankh Sun AmonはTut Ank Hamonの奥さんです。つまり、テーマは古代エジプトということに。

サフラン、レザー、アンバー、バニラ、ハニー、リリー、ミルラ

香りは典型的なアンバーノートです。微かにレザーがあったり、フローラルノートがあったり、スパイシーに感じる部分があったりと細かくニュアンスは付け加えられていますが、全体としてのトーンはアンバーで、古代エジプトを表現するのであればもっとミルラとハーブを強くした方が、前面に出るくらいにした方がユニークだったかな、と思います。誰もがミイラを思い浮かべますからね。(03/10/2017)


■Dusara (2017年)

ヨルダンのペトラ遺跡はとても有名ですが、ペトラがNabataean(ナバテア王国)の首都だったことをご存じの方は多くはないのではないでしょうか。彼らはフランキンセンスとミルラを好み、羽の生えたモンスターから樹木を守っていたと言われています。

フランキンセンス、ミルラ、シナモンリーフ、シダーウッド、サイプレス

フランキンセンスにシナモンという組み合わせは、今まであまり多くはなかったように思います。シナモンの香るフランキンセンスから、フレッシュなアロマティックが香りだし、ペトラというよりはイタリアっぽいニュアンスで始まったのですが、アロマティックなニュアンスが少し落ち着くと、どこの国とも言えない初めてのニュアンスが残るのです。シナモンが効果的に香りますが、スパイシーで押しつけがましい強さはなく、フランキンセンスの良きアクセントとして広がっていきます。(03/10/2017)


■Isvara (2017年)

ヒンドゥー教のシヴァ神をタイトルとした香り。だからテーマは古代インドです。アーユルヴェーダに使用されるスパイスやハーブをメインとし、スパイシーオリエンタルにまとめたもの。

ナツメグ、サフラン、サイプレス、アーユルヴェーダブレンド

アロマティックでスパイシーという言葉がとてもぴったりな香り。スパイスとハーブをサフランで包み込んだような香り方で、スパイスの軸はサフランにあります。イスラム諸国ではスパイスマーケットでカラフルなスパイスたちが山盛りになって量り売りされますが、その様子を思い起こさせるような、カラフルなアロマティックスパイシーな香り。ちょっとインドという印象は薄いようにも思いますが、きちんとベースにはサンダルウッドがあり、押さえるべき個所は押さえた上でのサフランだったのだと理解。スパイスを柔らかくまとめた、女性でも使いやすいインドの香りだと思います。(03/10/2017)


■Pompeii (2017年)

言わずと知れた、ナポリ近郊にあるポンペイの街をテーマとした香り。イタリア人である彼らにとって外せない都市ですよね。ヴェスヴィオ火山の麓に広がる街並みは、かつてどのような庭が広がっていたのか。遺跡の中にその名残を感じることも出来るんですよ。

トップ:コリアンダーリーフ、レモン、ベルガモット
ミドル:ゼラニウム、ローズマリー、セージ
ベース:シダーウッド、サンダルウッド

はいはい、イタリアと言ったらハーブとシトラスだよね、という香り。昔懐かしいファッションフレグランスにあったテイストで、イタリアだとKriziaのメンズラインを彷彿とさせます。もちろんKriziaもイタリアブランドですから、イタリアらしさを存分に表現していたことでしょう。ポンペイは海が近いということで潮風の香りを入れたようですが、マリン、オゾン系はそこまで強くはありませんので、あまり気にしなくても良さそうな気がします。逆に、ポンペイと言えば巨大なレモンが有名ですので、もっとシトラス満載だったら今の遺跡のイメージ、訪れたことのある方たちの印象には近いものになっていたのかな、なんて。(02/10/2017)


■Tikal (2017年)

古代都市マヤをテーマとした香り。古の知恵は樹木の皮に刻まれていたということで、ウッディノートをアロマティックスパイシーにまとめた香りに。

トップ:セージ、コリアンダー
ミドル:ゼラニウム、ナツメグ
ベース:ガイヤックウッド、サンダルウッド、トンカビーン

とてもスパイシーで特徴のあるナツメグがトップではじけまするナツメグの香り自体はユニセックスですし、ローズなどとの合わせるとセクシーになりますが、アロマティックなゼラニウムと重なるとどこかメンズっぽくなってしまう不思議。さらにそこにクマリンやウッディノートが加わることで、ラベンダーを含まないフゼアというか、逆にフゼアからラベンダーを抜いたようなニュアンスが感じられるのです。ベースにあるウッディノートがオイリーなのも理由だと思うのですが、5つの香りの中では一番僕は安心できる香りでした。男性的ですので女性の皆さんは最後まで香りを確認してくださいね。(02/10/2017)

 

 

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