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Sampleレヴュー (Black Collection)

■Rose & Dragon (2016年)

セントジョージ(聖ジョージ)のドラゴン退治をテーマとした香り。ヨーロッパでは広く歴史上のヒーローとして人気で、守護聖人として祀る地域も多いのですが、スペインではどうなのかというと、やはり彼らの住むカタルーニャ地方でも守護聖人なのだそう。だから取り上げられたんですね。切りつけたドラゴンから流れた血からローズが咲いた伝説がタイトルとなりました。調香はRodrigo Flores-Rouxが担当。

 

 

トップ:サフラン、クミン、ワイルドストロベリー、シナモンリーフ
ミドル:ブルガリアンローズ、トルコローズ、ハニー、フランキンセンス
ベース:カストリウム、レザーアコード、ラブダナム、アンバー

これは面白い。クミンの効いたローズがハニーオリエンタルに包まれて始まります。トップからすでに個性的。でも、使いにくいものではなく、とてもクールでセクシーというフレグランスに大切な面を併せ持った上で個性的という最強な感じです。更にはユニセックスなのですから。ハニーローズが華やかに広がり、その中からクミンが香りだすのですが、その後はクミンが薄れてオリエンタルなハニーベースへと引き継がれていくのです。このブラックシリーズはDonna KaranでBlack Cashmereを生み出した彼の真骨頂だと思います。(05/07/2017)


■Sandor 70's (2016年)

バルセロナを見下ろす丘の上に、70年代を象徴するバーがあるそう。そこは、貴族たちがアームチェアに座り、葉巻を楽しみながら語らう、そんなイメージのバーだそう。ということで、香りはレザータバコに。調香はRodrigo Flores-Rouxが担当。

 

 

トップ:スエード、ベルガモット、ジャスミン、オスマンサス、ブルガリアンローズ
ミドル:タバコ、クラリセージ、シダーウッド、ペルーバルサム、バニラ
ベース:レザーアコード、パチョリ、ベチバー、フランキンセンス、オークモス

香りはまさにレザータバコです。トップで一番強くタバコのニュアンスを打ち出し、そこからはフローラルノートに支えられたバルサムノートとシプレのアクセントが渋めなレザータバコに重なって香り続けます。クラリセージはアブソリュートのようですが、アブソリュートになると精油とは一転してダークになるのがセージのユニークなところで、その成分はアンバーグリスノートへとつながっていきます。ですから、とても理にかなった、組み合わせの良い香りなんですよ。それをタバコに合わせ、少しスモーキーに、でも重すぎない程度のオリエンタルへとつなげていきます。少し力強くスタートしたものの、ラストは柔らかく肌に残り、とてもクールでセクシーな香りとなっていますよ。(05/07/2017)


■Black Calamus (2016年)

カラムスとはショウブ科の植物のことなのですが、菖蒲湯に入った時に香るある葉から香料が得られます。とても個性的なその香りを新しい解釈で樹脂やウッディノートと合わせて暗闇の中に閉じ込めた、というもの。調香はRodrigo Flores-Rouxが担当。

 

 

トップ:カラムス、ブラックペッパー、コリアンダー、パピルス
ミドル:ラブダナム、シスタス、オスマンサス、ローズ
ベース:バニラ、ウード、フランキンセンス、ケード

これは、ラブダナムを軸としたアンバーオリエンタルです。ゆっくりとコップから溢れるようにラブダナムが香りだし、そこに細やかな彩りとしてスパイスが配置されていたり、フローラルノートが隠されていたりする、というものです。それでもラブダナムがトップで一番強く香り、それ以降は少しスモーキーなアンバーウッディへ移行していくあたり、新しいラブダナムの使い方だと思うのですが、どうしてもどっしりと最後まで肌に残るものなので、そこは彼の手腕なのでしょう。最終的にはラブダナムではなくウッディノートとフランキンセンスが肌に残るのですから。(05/07/2017)

 

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