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Sampleレヴュー (Floral Collection)

■Sweet William (2017年)

叶わぬ恋に破れた独身者たちにとって、赤いカーネーションというのは、魅力的な恋人を探しを象徴する花なのだそう。タイトルのスイートウィリアムというのは、カーネーションの別名です。調香はRodrigo Flores-Rouxが担当です。

 

 

トップ:ホワイトペッパー、カルダモン、シナモン、ガランガル
ミドル:ダイアンサス、イランイラン、ローズウォーター、タバコブロッサム
ベース:アンブラローム、スティラックス、アイリス、バニラ

ドライでスパイシーなトップで幕開けするカーネーションの香り。通常、肉厚で豊かなカーネーションの香りはローズ調の香りを軸として組んでいくのですが、こちらは大量のヴァイオレットを組み込むことで柔らかに仕立てたもの。カーネーションらしいクローヴ調の甘さと、バニラがされに重なり、最後はスティラックスのハニー調の部分が甘さを引き立てていきます。アンブラロームはラブダナムを精製した天然由来の香料なのですが、ラブダナムだとわかるほど強くは香らず、安定させる役割で組み込まれています。グリーン調の部分あり、フローラル感あり、甘さもほど良く、でもセクシーすぎないという、とても優等生的なインテリ風カーネーションだと思います。彼はAedes de Venustasの中で、Oeillet Bengaleという香りを同じくカーネーションとして作っていますが、こちらの方がよりソフトで、Oeillet Bengaleの方がスパイシーなフローラル感が強いです。根本的には似ていますけどね。(06/07/2017)


■Besos (2017年)

記憶を刺激し、愛し合った日を思い起こさせるバラードのような温もりある香りというのがテーマ。英語では若者たちの間でメールの結びにXOXOと書きますが、スペインではBesosと書くそう。そう、キスの意味です。調香はShyamala Maisondieuが担当。

 

 

トップ:マンダリン、ブラックペッパー
ミドル:サンバックジャスミン、アイリス
ベース:ベンゾイン、バニラ、ムスク

調香にあるもの全てがきちんとその通りに香っているのですが、全体としてのイメージは石鹸です。とにかく石鹸そのものに感じるくらいリアルな石鹸の香りなのです。トップにはレモンのような微かなアルデヒドが煌めき、アイリスとジャスミンがスイートムスクに包まれて石鹸のように香るのです。ある意味リアルな石鹸香を追求したらこうなった、という感じで、高級感あふれる艶やできめの細かい泡を感じさせる、ホテルの石鹸香。展示会の時、ムエットで感じた印象と全くぶれてはいませんでした。愛し合った日を思い起こさせる・・・つまりは翌日のシーツの残り香・・・そう、ソーピーなホワイトムスクなのです。(06/07/2017)


■Latin Lover (2017年)

スペイン人と恋に落ちなさい。スペイン人、特にカタルーニャの人々の魅力の虜になるはず・・・という香り。調香はスペイン人調香師のJordi Fernandezが担当。

 

 

トップ:ベルガモット、イランイラン、マグノリア
ミドル:ヴァイオレット、サンバックジャスミン、ナルシス、スズラン
ベース:ベンゾイン、パチョリ、ホワイトムスク

スペインと言えばオレンジ。ベルガモットというよりもスイートオレンジに近いジューシーなフルーツがトップで印象的に弾け、そこからホワイトフローラルへと転じていくのですが、ヴァイオレット調でアクセントをつけたホワイトフローラルというだけで全体像がボケてしまっているというか、思ったほど個性的ではなく、その他大勢に入ってしまいそうな香りです。もちろん万人に好まれる香りというのは個性的ではダメなわけですし、そこを意識したものであればその通りなのですが、ホワイトムスクが強めに出てきますので、美人をより美人に思わせるような、香水らしい効果を狙って使うとしっくりはまりそうです。(06/07/2017)

 

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