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Sampleレヴュー (Acque Odorose)

水の香りをテーマとした3種類の香り。彼らの住むトレヴィーゾは水路が張り巡らされた陸のヴェネツィアと呼ばれる町。至る所に澄んだ水を見ることができ、それらが上手く生活に溶け込んでいます。だから、切っても切れないテーマとして水があるのでしょう。でも3つの香りは水そのもの、つまりアクアノートではないんですよ。水のようにパシャパシャと使う、延々とリピートしたくなる、つまり手放せないくらいのものだと解釈したようです。

 

 

■Il Mercante di Sogni (2017年)

夢の商人と名付けられたタイトル。つまり夢を売るわけですよね。どんな夢かというと、ムスクに包まれたふわふわとした夢。

トップ:ムスク
ミドル:パチョリ、シダーウッド
ベース:アンバー

ムスクがトップに香るということは、相当な量を投入しているはず・・・と予想して香ると、パチョリをシンプルで綺麗なランドリームスクで包みこんだ香りでした。アルデヒドのようなシュワッと感はなく、ただただ、シルクのように滑らかで柔らかなムスクがパチョリわ包み込んでいて、シダーウッドと共にカンナで削った極薄の木くずのように肌の上に広がります。基本的にムスクですのであまり拡散はせず、静かにそっと香り続けるのが特徴です。これ、パチョリもシダーウッドの精油だと思います。ベースにあるアンバーは樹脂系の甘いアンバーではなく、アンバーグリス系の合成香料で、それだけがシンプルに肌に残ります。(14/07/2017)


■Il Risveglio delle Esperidi (2017年)

シトラスの目覚めというタイトル。たっぷりのシトラスは目覚めの香りですからね。ギリシア神話の中で、金のリンゴの木の世話をしていたニンフたちを、その庭をシトラスノートとホワイトフローラルで表現したもの。

トップ:ベルガモット、ホワイトグレープフルーツ、レモン、ビターオレンジ
ミドル:ホワイトフローラル、ジャスミン、マグノリア
ベース:パチョリ、ムスク

圧巻の精油感。物凄くジューシーで美味しい、それこそ飲んでしまいたいほどのシトラスが波のように押し寄せます。ベルガモット、グレープフルーツ、レモンにアクセントとして少しビターオレンジを・・・という組み合わせがそのままに香り、皮の苦みのあるもの、スイートで美味しいもの、絞りたて感のあるシトラスがスパークするのです。香りはそこからゆっくりと苦みと共にフローラルノートを前へと押し出し、爽やかで素朴なフローラルとなって落ち着きます。これは本当に目覚めの香りで、湯上りコロン感覚で使うとシャキッとしそう。フローラルノートやムスクに引っ張られて、シトラスの余韻が意外にも持続してくれますよ。(14/07/2017)


■La Sorgente di Ninfee (2017年)

朝陽を浴びて輝く泉、そして噴水。キラキラとした水滴が弾け飛ぶ様子を泉に咲く睡蓮で表現したもの。タイトルは睡蓮の泉という意味です。

トップ:グレープフルーツ、ハーバルノート
ミドル:ホワイトフローラル、ティー、マンゴーアコード
ベース:フランキンセンス、モス、ソフトウッド

あぁ、これは日本人に馴染みのあるわかりやすい香りだ、というのが第一印象でした。アクアノートでありながら、シトラスやグリーンノート、ヘディオンなどがマンゴーのアクセントと共に広がる・・・そう、HermesのUn Jardin sur le Nil(ナイルの庭)を彷彿とさせる香りなのです。ナイルの庭のベースにある甘さがほとんどなく、こちらはあっさりと消えていく軽やかなタイプですので、これはもう暑い夏にぴったり。パシャパシャ使いたくなるEdTです。(14/07/2017)

 

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