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Sampleレヴュー

■Acqua di Gioia (2010年)

6月に発売された香りはAcqua di Gioではなくて、Acqua di Gioiaです。彼が大好きな別荘のある南イタリアのパンテレッリア島をイメージした香りで、GioiaはGioとPantelleriaをつなげた造語なのかもしれません。香りは陽射しに輝く花弁のようなアクアティックウッディで調香はLoc Dong、Dominique Ropion、Anne FlipoのIFF社チーム。

トップ:ミントリーブス、レモンブロッサム、アクアティックグリーンアコード
ミドル:ピンクペッパー、ジャスミン、サンバックジャスミンアブソリュート、ピオニー
ベース:シダーウッド、ラブダナム、ブラウンシュガーアコード

アルマーニというかファッションフレグランスらしい王道の香りで、ケミカルなフルーティーさとアクアティックな瓜系のフローラルの上にアクセント程度のミントが香ります。ミドル以降は少し甘さが落ち着いてどんどんアクアティックなフローラルノートが前に出てくるのですが、なかなかベースノートは出てきませんね。こういう系統の香りは精油では作り出せない香りなのでほぼ全て合成香料なのだと思います。全体的には初夏っぽい雰囲気のスイートアクアティックフローラルと言えそうです。(06/10/2010)


■Attitude (2007年)

「自己主張する男性」 をテーマとしたオリエンタルウッディな香りで、Firmenich社のAnnick Menardo、Olivier Cresp、Alberto Morillasという3名が手がけた香り。

トップ:シチリアンレモン、コーヒーアブソリュート
ミドル:セイロンカルダモン、ラベンダー、スモークアコード
ベース:チャイニーズシダーウッド、パチョリ、オポポナックス、アンバー

コーヒーのアブソリュートというのは使い方を間違えるとえもいわれぬ劣化香っぽくなって悪臭と化するのですが、これはほとんど香りません。コーヒーどころかかなりスパイシーに出るはずのカルダモンでさえ微妙です。著名な人気調香師が3人も関わっているのに何故?という香りで、一言で言うならば「ほの甘いクリーミーウッディ」です。ウッディというよりもムスクの方が合いそうな感じで、とても印象が薄くて柔らかです。柔らかというか穏やかというか・・・。使いやすくて万人に好かれそう、という意味では人気調香師の手がけた香り・・・と言えそうなのですが、ちょっと面白みには欠けるかなぁ。ビジュアルのように男性のセクシーな素肌っぽさをイメージしたのではないでしょうか。スキンムスクをテーマとした香りならば、他社製品に素晴らしいものが沢山出ているんですよね・・・。(19/08/2009)


■Armani Eau Pour Homme (1984年)

Roger Pellegrinoが手がけたメンズのシグネイチャーフレグランス。

トップ:シチリアンタンジェリン、カリフォルニアグリーンレモン、イタリアンベルガモット
ミドル:ラベンダー、クローヴ
ベースサンダルウッド、シダーウッド、オークモス:

シトラスが突き抜けるように香った後でラベンダーとゼラニウムが出てくるフレッシュなシトラスフゼア香です。シプレというほどオークモスは強くないのですが、典型的なすっきり系のメンズにしては少しクラシカルかな、という印象を受けます。でも、シグネイチャーフレグランスですからオールマイティーな世代に長く愛されないといけないわけで。若い世代というよりはやはりアルマーニを着こなす世代の方が似合う方は多そうです。僕はラベンダーとゼラニウムにどっさりシトラスが重なった雰囲気で好きですよ。(19/08/2009)


■Onde Mystere (2008年)

中東、インド、日本をテーマとしたOnde trioという3種のシリーズのうちの一つで目指したのは各地のエンパイアのエッセンスです。 その中で中東のハーレムをイメージした香り。

トップ:ローズ、スパイス
ミドル:インセンス、ベンゾイン
ベース:ムスク、バニラ、アンバー

ローズはトップから香りますがそこまでメインにはなっていません。確かに存在するのですが、甘いオリエンタル系のローズです。スパイスはトップだけで砕け散るように消え、アンバーというよりもバニラの甘さが残ります。インセンスっぽさも確かにあることはあるのですが、バニラの甘さに負けてそこまで「オリエンタル感」というかハーレム的な怪しい雰囲気には感じないんですよ。もう少し個性的な香りというか初期のマニアのような香りを想像していたのでちょっと意外でした。最終的にはアンバーローズ系統になって落ち着きます。(23/12/2008)


■Onde Vertige (2008年)

上と同じく中東、インド、日本をテーマとしたOnde trioという3種のシリーズのうちの一つで目指したのは各地のエンパイアのエッセンスです。3つの中のインドのカーマスートラと寺院をテーマとした香り

トップ:トベラ
ミドル:ジャスミン、フランジパニ
ベース:パチョリ、ブラックリコリス

甘いの?グリーンなの?という一瞬と惑う香り。リコリスの甘さの中にジャスミンが香るのですが、パチョリはほとんど分からずに基本的にはすっきりとしています。トベラの樹木のエッセンスがどのような形で組み込まれているのかわからないのですが、トップにはシトラスがありました。時間と共に微かなパウダリーさが出てきて少しウッディ調のプルメリアという感じになってきます。その頃にはジルサンダーに有りがちな少しクリーミーな香りにもなっていたりして。こちらもとても使い安い系統です。ちょっとオゾン系の香りも入っています。(23/12/2008)


■Emporio Armani Diamonds for Men (2008年)

Emporio Armani Diamondsに続いて発売されたメンズ版です。広告モデルをJosh Hartnettが務めることが話題になりました。彼がモデルとなったことからも分かるとおりにターゲット層は若い世代になっています。調香はFirmenich社のJacques Cavallierと有名どころできちんと押さえていて、グルマン系のウッディアロマティックなのだそうです。グルマンウッディ?と思ったら調香にココアがありました。

トップ:ベルガモット、シトラス、山椒
ミドル:シダー、ココアビーン
ベース:ガイヤックウッド、ベチバー、アンブロキサン

ウッディ満載ですね。余計なフローラルを排除してかっちりとまとめたスパイシーウッディな香りなのかと想像して肌に乗せてみたのですが、トップからスパークするくらいにベルガモットが香ります。もう、いわゆる典型的なシトラスウッディですよ。そのベースにアンバーがある、という程度です。時間と共にベルガモットが落ち着いてウッディが顔を出しますが、温かみのあるベチバーやガイヤックウッドの精油感は全くなく、チークウッドのようなトニック的ウッディが軽やかに香ります。残念ながら期待していた山椒の香りもベルガモットに圧倒されて全くわからずラストノートに突入しました。ラストノートではシトラスが薄れた分純粋にウッディが楽しめるようになるのですが、この時点では合成感がたっぷりとありますが「アロマティックウッディ」というくくりの香りになっています。ココアっぽいというよりもやはりアンバー調の甘さですが、それらがウッディと重なってラストノートを形成しています。全体的には真夏にも使えそうなさっぱりとしたテイストの香りで若々しくもあり、30代でも平気で使えそうな印象なのですが、残念ながら新作として打ち出すほど香りに新鮮味は感じないです。でも僕はバナナリパブリックのブラックウォルナッツのような軽いウッディアンバリーなラストノートがセクシーで好きです。(03/12/08)


■Oranger Alhambra (2008年)

Priveのトワレシリーズ3つ目の香りです。今回のタイトルも国がテーマになっていて、アルハンブラのオレンジです。スペインはグラナダにあるアルハンブラ宮殿の庭がタイトルになっているのです。丘の上にそびえるこの宮殿には果樹園もあります。ジャスミンやローズが香る庭、甘いオレンジの香る木陰。ローズマリーだけじゃなくて照りつける太陽とマージョラムの香りのする庭。

トップ:レモン、ビターオレンジ、ぺティグレン
ミドル:ローズマリー、マージョラム、ワイルドジャスミン
ベース:モス、パチョリ

庭の湿った土もちゃんと表現しているようで、すっきり爽やかなだけのシトラストワレにはなっていません。ちょっとクセとしてはメンズっぽい傾向にありますが、香料だとぺティグレンとローズマリーが強く出ています。ゲランのデュコックにも似た雰囲気のフレッシュさで、オレンジというよりはレモンがメイン。ハーブとレモン、ぺティグレンが暑さを和らげてくれるようにフレッシュに香ります。シトラスが少しずつ薄れていくと徐々に温かみのある香りになっていくのですが甘さはありません。そのベースノートの渋さというのは決して際立ったものではなくて、飽くまでも根底に広がっているのだという落ち着いた位置です。それでもラストノートにはモスだけが残りますので大人の印象は受けますが、とてもフレッシュで使い安い香りですので、幅広く受け入れられそうです。


■Armani mania (2004年)

1999年に発売されたマニアがタイトル通りにマニア受けしたのですが敢え無く廃番に。その後、2004年にリニューアルして復活した香り。

トップ:モロッコローレル、グリーンタンジェリン、ピンクペッパー、ブラックカラント
ミドル:スズラン、マグノリア、アイリス
ベース:シダーウッド、サンダルウッド、アンバー、バニラ、ムスク

人気があるのは以前の1999年のものなんですね。以前のものは、
トップ:シトラス、トベラ
ミドル:サフラン、クローヴ、ナツメグ、アンバー、ガイヤックウッド
ベース:インセンス、ムスク、ブルボンバニラ

トベラの樹は画像のもので街路樹というか植え込みで良く見かける植物です。これを調香に組み込んでいるのは珍しいですよね。 というか、この以前のものがレディースとして発売されていたのが嘘のようなメンズっぽいスパイシーウッディな調香です。 なんだ、やはり僕も好みとしては以前のバージョンなんだろうなぁ、と思いつつも今回のものを。付けた瞬間から力強いスパイスとウッディが出ましたが、すぐにフローラルも出てきました。これはこれで僕は好きな系統なのですが、以前のものを引きずっていてあまりフェミニンな感じにはなっていません。どちらかというとユニセックス風なオリエンタルフローラルウッディという印象で、ダナキャランのブラックカシミアを使いやすくした感じです。スパイスはミドル以降それほど強くなくて、ニュアンス的にはPalazzo Vecchioの野生のザクロのフルーティーさを少し抑えた感じにも思えます。ウッディですもんね。


■Prive - Cuir Amethyste (2006年)

2005年発売のPriveシリーズ5つ目の香りです。6つ目にはジャスミンの香りが発売されていますよね。もちろん、タイトル通りに石が紫となってアメジスト色になっています。店頭ではリフィルしかなくて、肩を落としていたら5種類全ての石付きチョーカーをくれちゃったという、まさにそのアメジストの香りです。

トップ:コリアンダー、ベルガモット、クリスタリンローズ
ミドル:ヴァイオレット、白樺、パチョリ
ベース:ラブダナム、フレンチバニラ、ベンゾイン

付けた瞬間はフルーティーさが出てきて一瞬可愛らしさを感じるのですが、すぐにラブダナムとかベンゾインの深みがある甘さ、艶やかさが出てきます。パチョリもしっかりと出ていますね。少しだけパウダリーさが出ているのはヴァイオレットだと思いますが、メンズっぽくもなく、レディースっぽくもない。ホントにユニセックスな感じなんですよ。フローラルがないわけではないのですが、渋さがあるために男性でも平気な感じがします。逆に女性だったらセクシーな香りですよ、これ。バニラも甘さはありますが、ベタベタしたグルマン系になっているわけではありません。うーん、でも季節的には秋以降に使いたい深みある香りです。


■Armani Code EDT (2007年)

アルマーニコードのトワレバージョンが2007年4月に発売となりました。これはこの夏に日本発売されるのでしょうか ? EDPのフローラルを強めた感じのようで、

オレンジブロッサム、スズラン、シクラメン、ジャスミン、ウッディノート、ハニー、ムスク

という調香。オレンジブロッサムが強めに出ています。オレンジブロッサムをメインとした香りはさっぱり目になりますが、これは少し深みをもたせてコロン的ではなくて、シアーフローラル系になっている感じです。真夏ではなくて春秋な感じがします。というよりも、オレンジブロッサムだからまさに今ですよ。初夏です。ミドル以降はスズランっぽさも出てきて夏っぽさを感じるアクア系ノートを感じますね。その頃には甘さも気にならないくらいの爽やか系になります。うーん、アクア系のノートがあるからか、少し好き嫌いは分かれる所ですが、まぁ、既存品のサマーバージョンということで。ボトルは既存のものよりも色が明るくなってますよね。

 

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