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Sampleレヴュー

■Tres Russe (2017年)

2004年、最初に発売されたCologne a la Russeのパルファムバージョンとして発売される香り。調香はCologne a la Russeと違うため、香り自体も別物です。一度、1906年に発売されたCologne a la Russeの100周年を祝い、2006年に同タイトルの香りが同じくパルファムで発売されましたが、そちらも調香は違うようです。

 

 

トップ:レモン、ベルガモット、ラベンダー、イランイラン
ミドル:オレンジブロッサム、トンカビーン、ヴァーベナ
ベース:ローズマリー、ラブダナム、ベンゾイン、アンブレット

オリジナルはトップからジューシーなシトラスが弾けるのに対し、今回のパルファムはトップからレザーが浮かび上がるようにふわりと香りだします。スパークするようなフレッシュさではなく、立ち上がるような優雅さで、トップでは少しスモーキーなオリエンタルが、そこからラベンダーとオレンジブロッサムを感じるアロマティックなレザーへと変化し、やがてはとてもソフトなアンバーベースのオリエンタルとなって薄れていきます。どっしりとした力強いタール系ではなく、かといってクラシカルな合成香料のものでもなく、クマリンやハーブ、樹脂系の香りを用いて表現したレザーで、残り香もとても優し気なものに。トンカビーンはクマリンだけではなくアブソリュートを使用しているのかもしれない・・・と感じるラストノートです。(19/04/2017)

 

 

2016年に発売された3種のシングルフローラル。久しぶりの新作は、Colognes Finesと名づけられていますが、濃度としてはEdPで、なんとトップ、ミドル、ベースに全て共通する香料が配置されてあります。それは、レモン、ベルガモット、ベティグレン、ラバンジン、ピンクペッパー、シナモン、パチョリ、シャムベンゾインの8種。それ以外の部分を変更することで3種3様の香りとなっているのですが、やはりどうしてもラストノートは同じで、微かにパチョリを感じるほの甘いフローラルシプレとなって終わります。トップもベースも同じなのですから、重ねても使えますよ。

 

■Rose de Mai (2016年)

8種の香料に追加されたのは、ブラックカラント、ローズドゥメイアブソリュート、ゼラニウム

 

 

展示会でムエットで香った際に一番印象の良かったのはこちらの香りでした。とにかくグリーンが明るくフレッシュで、瑞々しいグリーンローズが広がっていたのです。でも、肌だとブラックカラントの主張も感じられ、グリーンの明るさが半減し、とても落ち着いたゼラニウム系ローズとなっていました。アブソリュート感は強くありませんが、あっておかしくない深みのあるローズで、全体的にとても柔らかな香り方をしています。ただ、ローズはあっさりと消えてしまい10分ほどでラストノートへと変化します。3種の中では一番ラストのパチョリが感じられますね。(26/05/2016)


■Tubereuse Absolue (2016年)

8種の香料に追加されたのは、ネロリ、ホワイトリリー、チュベローズアブソリュート。

 

 

チュベローズアブソリュートを使用しているにしてはとても綺麗で、アブソリュート特有のワイルドな青さが全く感じられない香りです。香料会社の方でその雑味を除去することで精製した美しいアブソリュートにしているのだとしたら、それはそれで残念なこと。少しパウダリーでクリーミーなチュベローズ香で、アブソリュートを僅かに使用したチュベローズアコードといったところ。チュベローズアブソリュートを期待すると残念ですが、チュベローズ自体の香りがお好きな方は楽しめるシンプルな香りとなっています。(26/05/2016)


■Violette de Parme (2016年)

8種の香料に追加されたのは、ガルバナム、ヴァイオレットリーフアブソリュート、ミモザ

 

 

近年は、ヴァイオレットリーフアブソリュートという名前の合成香料が出ているのかと思うほど、アブソリュートと書かれていてもアブソリュートではない香りがしているものがほとんどです。こちらも典型的なグリーンノートを使用したヴァイオレット香で、とてもシンプルな美しく香ります。Jo Maloneのようなシンプルさですが、香り自体はもう少しエレガントですのでやはりフランス風ですね。どことなくイランイランのニュアンスを感じるのですが、ひょっとしたらイランイランも使われているのかもしれません。(26/05/2016)

 

 

■Cologne a La L'Italienne (2005年)

イタリアと言えばシトラスの産地。太陽の恵みをいっぱいに浴びたフレッシュシトラスを、太陽のブーケとしてまとめたもので調香はPierre Bourdon

トップ:シチリアンオレンジビガラード、カラブリアンベルガモット
ミドル:ぺティグレン、オレンジブロッサム、ローズマリー、マテ
ベース:アンバー、スティラックス、ベンゾイン

とてもオーソドックスでクラシカルなシトラスコロンです。レモンというよりもやはりベルガモットの方が強いので甘さのあるみかんっぽい香りになっています。そこにぺティグレンの渋さ、ローズマリー等のハーバルなグリーン香が重なって柔らかなシトラスハーバルな香りになっていきます。単純なシトラスコロンというよりもベースノートがきちんとあることでほんのりとしたパウダリーさを持った香りに落ち着くのですが、その雰囲気がいわゆる「シトラスコロン」とは別物になっています。トップからミドルにかけては普通なのですが、ベースノートがある分他のものより持続はしますね。シトラスが全くなくなってしまってからはアイリスにトンカビーンを加えたような香りが残ります。(18/08/2008)


■Cologne a La Francaise (2005年)

マグノリアを核としたEDTでテーマはフランスで調香は調香はPierre Bourdon

トップ:ウィンターレモン、ライム
ミドル:チャイニーズマグノリア、ホワイトラベンダー、ローズマリー、ヴァーベナ
ベース:アイリス

マグノリアの柔らかくてほの甘いクリーミーさを期待しているとびっくりするくらいにスパークするレモンに驚きます。トップはレモンが一瞬激しくスパークしてからラベンダーの香るフローラルになるのですが、ラベンダーがあることでユニセックスになっています。僕にはマグノリアよりもラベンダーを強く感じるのですが、ミドル移行はやはりベースノートのパウダリーさが顔を出してきてアイリスが強くなっていきます。アイリスが強くなり始めると引き算のようにシトラスが消え、フローラルが消え、ラベンダーの残り香とアイリスが残るというニュアンスになります。トップはフレッシュで爽快でしたけど、最終的にはとても柔らかくて優しい香りに落ち着きます。(18/08/2008)


■Cologne a La Russe (1906年/2004年)

1906年に作られた香りを100周年としてPierre Bourdonが再現した香り。当時のそのままの調香ではないと思いますが、雰囲気はそのまま生かしているのだと思います。

トップ:レモン、セドラ、ベルガモット、ライム
ミドル:ローズマリー、ヴァーベナ、ラベンダー、オレンジブロッサム
ベース:ネロリ、アンブレットシード、アイリス、ベンゾイン

何故かロシアというと寒い国→毛皮→レザーの香りというイメージがあるのですが、この香りはレザーではありません。シトラス満載のすっきり系ハーバルな香りなのですが、ローズマリーとラベンダーがあることで少しメンズ寄りのユニセックスな雰囲気になっています。普通だとコロンで良い感じの香りなのですがわざわざEDPにしているところがポイントで、濃度的にもしっかりとしています。トップでシトラスがキレイに香り、ミドルでローズマリーとラベンダーが出てきて少しハーバルな感じになってくると今度はそこにアイリスが加わります。柔らかに包み込むアイリスの香りがとても穏やかさを出していてこの香りのに毛皮を着た時の内側の温かさを感じます。ラストノートはアイリスにムスクが加わった形で終わっていくのですが、このアイリスになってからが1番長く香るので、アイリス好きな人には良いかも。(18/08/2008)

 

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