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Sampleレヴュー

 

■Vespero (2017年)

フクロウのように、夜に溶け込む都会的でダンディな大人たちのための香り。

トップ:ベルガモット、アップル、ピンクグレープフルーツ
ミドル:シダーウッド、ゼラニウム、レザー、ジャスミン
ベース:パチョリ、アンバーウッディノート、エニグマティックムスク

2つ同時に公開された香りのうち、ムエットで他のした際に好きだと感じたのはこちらでした。ファッションフレグランスにありがちと言えばありがちな、ラベンダー不使用でアップルをトップに配置したモダンなフレッシュアロマティックフゼアが軸で、どこか懐かしさを感じるほどのテイストです。ただ、やはり他商品と違うのはムスクが多いということ。この香りをっぷりのムスクで包み込んだというものはあまり記憶がないのです。力強いメンズ香ではなく、どこか優し気で清潔感のある、優等生的な香りとなって薄れていきますので、幅広く愛されるのではないでしょうか。残り香のムスクは少しフルーティーで、12時間を超えて香ります。(15/05/2017)


■Ambra (2017年)

カテゴリーの中にあるようなアンバーという古典的な香りを、Vanina MuraccioleがJeroboamらしく・・・とまとめたモダンスタイルなアンバー。

トップ:ベルガモット、ゼラニウム、フランキンセンス
ミドル:ペルーバルサム、パチョリ
ベース:ベチバー、バニラ、トンカビーン、エニグマティックムスク

シトラスノートとゼラニウムがフレッシュなアロマティックさと共に弾けた後、香りは典型的なアンバーノートへと変化していきます。ただ、最初からアンバーノートが強いのではなく、アロマティックな中から変化していくというのがオリジナルでしょう。ムエットで香った際は典型的過ぎるアンバーであまり特徴は感じられなかったのですが、肌ではそのアロマティックな部分が良く感じられました。ベースにある共通したムスクがたっぷりと入っていて、アンバームスクが長く肌の上で香り続けます。最後は他の香りに似たムスクとなりますが、オポポナックスベースのようにパウダリーさが多くはないのが特徴です。(15/05/2017)



 

■Miksado (2015年)

ミックスしたといういみのタイトルで、テーマとしたのはオリエンタルな香水です。往年の香水にあったような、クラシカルなオリエンタルさを表現したもの。

トップ:ベルガモット、ラブダナム、サフラン
ミドル:シダーウッド、ガイヤックウッド、ゼラニウム
ベース:パチョリ、バニラ、ホワイトムスク

ゼラニウムなんですね、オリエンタルノートに重ねたのは。はぁ、とため息が漏れるほどユニークで美しいオリエンタルウッディです。スパイシーに感じるほどのツンとした酸味が、ウッディオリエンタルに重なっての印象的なトップ。ローズだったらローズウード風になっていたのかもしれませんが、こちらはローズでもウードでもなく飽くまでもオリエンタルさに重きをおいた少しレザー調のスモーキーなオリエンタルウッディなのです。とてもセクシーで、やはり持続も抜群ですよ。シダーウッドよりもガイヤックウッドが効いていて、バニラの甘さは控えめですから、Insuloよりもドライに感じます。(19/10/2015)


■Insulo (2015年)

スペイン語で島を意味するタイトルですが、どこの島かというとマダガスカルです。だから、香りの軸はマダガスカルバニラなんですね。

トップ:バニラ
ミドル:ジャスミン
ベース:ホワイトムスク

トップにバニラがあるパラレルなピラミッドですが、配合が多ければトップから香ります。肌に乗せた瞬間からバニリンだけではなくリキュールのようなバニラが広がり、その後にアブソリュートに含まれているバニリン以外の部分、つまりスモーキーな香り、クマリンのような香り、香ばしいような香りが微かなジャスミンに重なって香りはじめます。実に大人っぽい、本気のバニラです。アブソリュートだけではこれほど甘さが出てきませんので、バニリン系の香りで補てんしているとは思いますが、テーマに忠実でありつつ大人のグルマンであり、しかもパルファム濃度で楽しめる香りだという点も嬉しいところ。ジャスミンは時折顔をのぞかせて楽しませてくれます。このジャスミンの持続が長いのもパルファム濃度らしいところです。(19/10/2015)


■Hauto (2015年)

20年代のフレンチカンカンのダンサーたちは香水を使っていました。彼女たちの香水は全ての丘と谷の香りと言われたのですが、それは身体の曲線を意味しているのかもしれません。肌にキスをする時に香るスキンパフューム。

トップ:ベルガモット、パイナップル
ミドル:チュベローズ、ローズ、スパイス
ベース:ホワイトムスク

パッと香っただけでそれとわかるチュベローズアブソリュートの香り。なんて豪華なパルファムでしょうか。チュベローズアブソリュートのワイルドな美しさを存分に感じられるバランスですが、きちんとその中にスパイスやローズが隠されています。パイナップルはごく微量のアクセントでチュベローズを邪魔するようなバランスではなく、とにかく美しいチュベローズをまるごとすっぽりとムスクが包み込んでいるのです。チュベローズにはココナッツの甘さがありますが、こちらはココナッツを強調したものではなく、ムスク自身がスイートムスクなのではないでしょうか。とても滑らかな甘さがチュベローズにマッチしています。(16/10/2015)


■Oriento (2015年)

中東を意識したフロリエンタルなムスク。でも、中東市場を意識したわけではないそうです。何故なら、彼らは大量に香水を使用するので30mlでは足りない、と。

トップ:レモン、サフラン、スティラックス
ミドル:ローズ、イランイラン、アップル
ベース:サンダルウッド、パチョリ、ムスク

香りはトップからあふれるローズが印象的。とにかくローズが美しく上品で、瑞々しさを湛え香ります。そこにスティラックスのハニーノートやサフランが加わることでオリエンタルなニュアンスを感じるものとなっているのですが、ウードも使用しているように感じます。(アンバーウッディノートかもしれませんが)でも、そこを強調したローズウードなのではなく、もっと穏やかに香るあたりがムスクベースに包まれているからなのでしょう。ミドル以降はハニーが強まったローズウードが残るのですが、この部分の持続がとても長く、肌に密着したまま延々と香り続けます。1プッシュで十分という強さですね。(16/10/2015)


■Origino (2015年)

自分がムスクに対する無嗅覚症ではないかと疑問に思ったことがきっかけで生まれたムスクベースの香り。これがこのセカンドラインを生むきっかけとなった彼にとって大切な最初の香り。

トップ:ベルガモット、ピンクペッパー
ミドル:ジュニパー、ナツメグ
ベース:サンダルウッド、ホワイトムスク

彼のために調香された、というのがとても良くわかるアロマティックスパイシーなムスクです。たっぷりムスクがスパイスを包み込んでいるため、スパイスがそれらしく弾けず、ゆっくりじわじわと香るのが特徴で、ラベンダーが入っていたらメンズになっていただろう、というテイストです。ジュニパーのアロマティックさが心地良いのですが、とにかくムスクが強く、ムスクベースのアロマティック香というのはあまりなかったのかも・・・と思えてきました。全てをふんわりと包み込んでいるムスクは、きっと数種類を重ねて表現しているのだと思います。液体は透明で着色はなし。彼は自分自身を語る肌の香りだと説明しています。ムスクですから、使う人それぞれで違った香り方をしそうです。(15/10/2015)

 

 

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