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Compliment / コンプリモン


<香 調> フローラル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 75ml
<濃 度> EDP

トップ
オレンジブロッサム、パルマローズ、フリージア
ミドル
イランイラン、ジャスミン、チュベローズ
ラスト
ベンゾイン、バニラ



Legacy Collection6つ目の香りとして5月25日に発売となった香り。オリジナルは1939年発売で、タイトルはSが入ったComplimentsでした。

 

 

Complimentは賛辞、誉め言葉の意味で、複数形のComplimentsは感謝の気持ちという意味になります。ホテルなどでミネラルウォーターなどが予め用意されていることがありますが、これらはComplimentaryと言います。感謝の気持ちを込めた「無料」という意味なのです。どちらかというとこの香りはオリジナルの複数形の意味合いで、感謝の気持ちが込められたギフト(無料=プライスレス)というニュアンスになっています。

 

 

香りはチュベローズが軸となって広がります。まさに、全体としてチュベローズアコードのよう。チュベローズのアコードには古いタイプと新しいタイプと様々なのですが、基本的にはジャスミンを軸として作られます。だから、ジャスミンとサンバックジャスミンを軸にイランイランを合わせ、チュベローズを形作ったのです。そしてチュベローズを印象付ける成分には、サリチル酸メチル(サロメチール)という湿布の匂いがあります。それを個性として生かしたものがSerge LutensTubereuse Criminelleなのですが、サリチル酸メチルではなく、別の湿布香1-8 Cineolに置き換えたアコードとなっています。1-8 Cineolをたくさん有している精油、それはユーカリです。鼻に抜ける湿布香は花粉症の季節に良く使われますが、鼻を刺激する爽快感のある成分だからです。チュベローズのアコードはトップに湿布香とピーチ、ミドルにジャスミン調のフローラルノート、ベースにココナッツがあるのですが、クラシカルなチュベローズアコードではバニラとベンゾインがベースに良く用いられます。これは1939年の香りということで、ハニーノートではないチュベローズを生かしたバニラ調のベースにしたのでしょう。ウッディノートやオリエンタルな要素は少なく、全体として1つのチュベローズアコードとなっているのです。でも、それは1本ではなく束になったブーケの形。

 

 

他の5種の香りはハニームスクが強めに使われているのが印象的でしたが、それはその時代にそうした香りが多かったからだと思います。ムスクやハニーノートの合成香料が次々に生まれ、頻繁に利用されていたのでしょう。この香りはそうした時代背景からすると39年という合成香料が次々に生まれ、使われてきた華やかに時代の中にあった香りです。オリジナルはもっと精油感が強くはワイルドだったのではないかと想像しますが、とても洗練された形で蘇った現代のチュベローズで、夏だけでなくWeddingにぴったりです。

また、この香りからロゴがシンプルなものに変りました。ミツバチマークが可愛らしいですよね。

(31/05/2021)

 


 

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