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Sampleレヴュー

■Love Kills (2019年)

Caroline Dumurによる調香で、テーマはロミオとジュリエット。ムエットで香った時から、これは本当にリッチなローズで、アブソリュートをたっぷりと使用していることがわかりました。

 

 

トップ:トルコローズオットー、ゼラニウム、ローズ、アンブレットシード
ミドル:トルコローズ、パチョリ
ベース:シダーウッド、アンブラローム、ムスク

リキュールのように酸味をもったローズで始まります。一瞬フルーティーにも感じられますが、香りはゼラニウムに支えられ、美しいローズの花弁がゆっくり開いていくように広がりやがて、満開を経て終わる。その最後までの姿を表現しているようで、時間と共にラブダナム調のアンブラロームが色褪せていく花弁を表現するかのように香り、最後までローズだけど、時間ごとに表情を変えて楽しませてくれます。(14/05/2019)


■Kintsugi (2019年)

Jovoyを担当しているVanina Muraccioleによる調香。テーマとなったのは金継ぎです。今世界が注目していますからね。日本人からすると、金継ぎは金継ぎであって、もったいないの精神が芸術を生んだと捉えるでしょう。でも、海外の視点からすると、そこにはそれ以外にも「傷を隠すな、誇りをもって見せましょう」と感じられるよう。傷だって個性だよ、という美しき傷跡なのです。

 

 

トップ:ベルガモット、マグノリア、アンバー
ミドル:ゴールデンスエード、センティフォリアローズabs、ヴァイオレットリーフabs
ベース:ベンゾイン、ラズベリーリーフabs、パチョリ、バニラabs

ムエットで香った際はセミオリエンタルとしか感じられなかったのですが、肌では大量のリナロールがフローラルノートに使用されていることがわかります。彼らは本当にアブソリュートを使用していて、少し磯っぽい生臭さを感じるヴァイオレットリーフabsがスパイスのようにアクセントとして香るのです。何だかとても不思議な香りで、磯っぽいフロリエンタルというか、ベースにはパチョリがあって、シプレっぽくも感じられます。スエード感やマグノリア感は少なく、ヴァイオレットリーフabsをとてもユニークにまとめた香りとなっています。(14/05/2019)


■(homage to) Hemingway (2018年)

「老人と海」で知られるヘミングウェイと言えば、釣りが趣味でカリブ海をこよなく愛したことで有名です。だから、今回のテーマはカリブ海で、ハイチ産のベチバーを使用したベチバーの香りとなりました。調香はFanny Balという若手女性調香師。

 

 

トップ:ジンジャー、ルバーブ
ミドル:ベチバーハート
ベース:ハイチベチバー、ジャワベチバー、シダーウッド、パチョリ、レザー

3種のベチバーはそれぞれLMRという香料会社の精油なのですが、アロマセラピーで使われるものとは違い、香料会社が独自の方法で精製した雑味がなくキレイな精油です。3種共に試したのですが、特徴がそれぞれ違い、とてもユニークな3種のベチバーが全体の50%を占めているそう。香りは、もちろんベチバーが主体ですからベチバーで始まりベチバーで終わるのですが、トップには少し土っぽいアーシーなジンジャーを加え、薄れていく頃の香りをシダーウッドとパチョリで軽く補填しています。残り香のベチバーは精油そのものよりも厚みがあってどっしりとしている、でも滑らかで柔らかくまとまっているのです。調香だけを見ると少しメンズっぽく感じられますが、レザーのように滑らかな残り香はとてもユニセックスですよ。6月より発売に。(24/04/2018)


■Times Square (2017年)

調香はBruno Jovanovicを起用し、アメリカをNYをテーマとした香りに。タバコ、溶けたゴム、淀んだスチームに排気ガスが満ちたNYの悪臭。終わることのない渋滞にうんざりする。街中では、シナモン、フライ、マスタードとカラメルの香り。売春婦のチェリーレッドのリップスタテックとストロベリーチューインガム。路地はゴミと汚物の匂い。男性のストリップショーにはチュベローズとカーネーションの香りが漂う。カニのケーキとハンバーガー。この都市の毒を吸う。でも、私はこのNYが好きなんだ。

 

 

トップ:ヘーゼルナッツアコード、グロッシーリップスティックアコード
ミドル:オスマンサス、チュベローズ
ベース:サンダルウッド、ガイヤックウッド、スティラックス

香りはとてもポップで可愛らしいストロベリーで始まります。ところがそのストロベリーはトップで消え失せ、ゴムやレザーなどの香るウッディノートへと変化していくのです。可愛い子に付いていったら混沌とした裏通りに迷い込んでしまったかのような、くるくると変化していくカオスな香り。チュベローズのフローラル感はあまり強くはなく、ヴァイオレット調の香りやオスマンサスの中の成分(イオノンベータ)が軸となりフルーティーウッディな、でもどこかレザーやゴムを感じる香りへと変化して落ち着きます。トップの可愛らしさは一体何だったのかと、唖然とするほど変化していく様子が楽しく、展示会でMandalaとTimes Squareどちらが好きかと問われた際、「フランキンセンスの香水はどれももれなく好きだけど、使う度にイメージが広がり楽しませてくれそうなのはTimes Squareだから、買うとしたらTimes Squareです」と答えました。トップからラストまで丸ごと楽しい香りです。(28/04/2017)


■Mandala (2017年)

スペインのCarbonnel社のChristian Carbonnelを起用。全宇宙のイメージで、静かな空気感。芝生の牛があなたを見つめる。修道院で謳う修道士たちの合唱という荘厳な香り。

 

 

トップ:フランキンセンス、ナツメグ、アンジェリカ
ミドル:カルダモン、シナモン、クローヴ、シスタス、シダーウッド、フランキンセンス
ベース:ミルラ、サンダルウッド、オークモス、アンバーグリスティンクチャー

フランキンセンスとミルラという切っても切れないご縁な2つのエッセンスを、アロマティックにまとめた香り。スパイスもたくさんあるはずなのにスパイシーではなく、トップではセリ科特有のセロリにも似たアンジェリカがどこか冷たく香ります。全体的にはフランキンセンスがきとんち軸として存在し、主役であるそれを彩る形で様々なエッセンスが配置されているというスタイルで、ミルラらしさはそこまで強くありません。時間と共にフランキンセンスがサンダルウッドに溶けていく様子は、パロサントに通じるのですが、共に祈りや儀式の香りですからテーマには沿っていますよね。そして最後は大流行のアンバーグリスノート(アンブロセニド)という香りが肌に残ります。最近の香水のラストはこれが多い・・・と気になっていた方も多いはずです。フランキンセンスをアロマティックにまとめた香りは他にもたくさんありますので、個性的という点では少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。30mlのEdPですから。(28/04/2017)


■L'Attesa (2016年)

売れっ子のLuca Maffeiを迎えた7つ目の香り。彼らは2009年、まだ若かった彼と仕事をしたことがあったそう。その後彼はグラースで修業をし、腕を磨いて帰ってきた、と。そうしたらアプローチが全然以前と変わっていて今回の起用となりました。今回のタイトルはWaitingで、第3幕の1場という設定。夏の夕方、生ぬるい微風が吹き抜けるテラスでの出会い。ジャズがゆっくりと流れるそこで、シャンパンを開け、待っている時間を楽しんでいる、階段を上ってくる彼の足音が聞こえてきた、そして彼はドアをノックした・・・。

 

 

トップ:イタリアンベルガモット、ネロリ、シャンパンアコード
ミドル:アイリスコンクリート(イタリア産とフランス産)、アイリスアブソリュート、チュベローズアブソリュート、イランイラン
ベース:サンダルウッド、オークモス、レザーアコード

大変だったのはシャンパンを表現することで1年かけて新たな素材を探したそう。なんと使用したのはビール酵母からのエッセンスなのだとか。展示会では、全てのエッセンス(素材)として公開しており、それぞれの香料を香ることが出来たのですが、後日Luca Maffeiのオフィスにて再度しっかりと香らせていただくことが出来ました。ビール酵母から二酸化炭素抽出で得られたオイルはモルト(麦)の香りがメインで、とても香ばしいものでした。Charabot社が新しく開発した香料だそうで、いち早く彼が注目して組み込んだのです。

香りはとても良くアイリスの特徴が生かされたアイリスレザーで柔らかくしっとりと肌に馴染んで静かに香り続けます。肌に乗せた瞬間はアイリスが少しすっきりとした香りと共に弾け、そこから微かなフローラルノートを伴いつつ、柔らかなアイリスレザーへと変化していくなんとも繊細な香りで、少し香ばしいニュアンスが感じられる部分がビール酵母です。チュベローズやシャンパンの部分は強く感じられないのですが、モスやレザーはとても上品に香っていますよ。

展示会ではシャンパンが振る舞われ、香りと共に楽しめるようになっていました。通常アイリスのコンクリートはイロンアルファという成分がどれだけ含まれているかによってグレードが変わるのですが、今回使用されているのは75%含有という一番高価なアイリスで、Lucaはさらにイロンアルファを追加して使用しているので更に高級品になっています。イロンアルファはアイリスとヴァイオレットの中間のような香りなのですが、合成香料でも抜群に高価な香料の1つです。今回の新作を香ってみて、前作のRomanzaと今回のL'Attesaが抜きんでて高品質だと伝えると、やはりRomanzaから原価がアップしたのだそう。だから、販売も昨年の秋ではなく今年の春まで待って35mlのEdPボトルになってからのリリースとなりました。(13/06/2016)


■Romanza (2015年)

第3幕の2場、それはヴィクトリアンナルシスと名づけられたロマンチックな場面。

その部屋は馥郁たるバラの香りに満ちていた。緑の妖精が一晩中かけて作り出した美しい朝。今何時? 朝日を浴びて輝く庭から、美しく陶酔するほどの香りが流れ込んでくる。昨日までは友達だったのに、圧倒的な力で惹きつけられる、これは愛? それとも・・・

トップ:アブサン、オレンジブロッサム、アンジェリカ
ミドル:ナルシスアブソリュート、ヴァイオレットリーフ、ジャスミン
ベース:ベチバー、シダーウッド、サンダルウッド、アンバーアコード、ミルラ

 

 

IFFの若きイタリア人調香師Cristiano Canaliによる調香です。人を陶酔させるという意味合いでキーノートに使用されたのはナルシスなのですが、展示会でムエットで香った瞬間、グリーンのナルシスが心地良く開花し、今までのラインの中では一番繊細で一番美しい香りだと感じました。香りはオレンジブロッサムを中心にナルシスを形成しているのですが、両方の良さを感じさせつつ、時間と共に深みのあるハニーの甘さの中へと沈んでいきます。トップでは、少し驚くほどワイルドなフローラルで始まりますが、パンと弾けて散るような印象的なトップで目の前で手を叩かれたような感覚です。ナルシスアブソリュートのワイルドな部分が、インドールやヴァイオレットリーフのグリーンと良く調和し、妖艶なまでのスモーキーなタバコっぽいフローラルノートへと変化しているのが香水らしいテイストだなぁ、と楽しくなります。CaronのNarcissus Blancのサンダルウッドをベチバーやタバコっぽいニュアンスにしたような骨格ですから、結構クラシカルな作り方なのだと思います。

来年の新作はLuca Maffeiによる調香で、シャンパンとアイリスのコンビネーションだそうですから、そちらも楽しみですね。(12/10/2015)

リリースが2016年4月となってしまったのは、熟成に予想以上の時間が必要だと判明したからだそう。展示会のものも手書きラベルでしたから、本当にギリギリ9月に間に合わせたのでしょう。(13/06/2016)


■Russian Tea (2014年)

5つ目の香りが9/15より発売開始となりました。今度の調香はJulien Rasquinetで、ブラックティーを中心とした香りとなりました。第1幕の3場はロシアのサンクトペテルブルグ。陽射しが弱まった頃、テーブルの上には沸いたサモワールが・・・というロシアの詩人、アレクサンドル・プーシキンの詩が引用されています。

サンクトペテルブルグの中心を通るネフスキー大通りやアールヌーボーの建築物が一面雪に覆われている。中には大きな本屋と1階にはエレガントなカフェが。そのカフェで飲む1杯のルシアンティーはダークで力強いもので、花々の香りが鼻に抜ける。もともとこのお茶は、長い長いシベリアを通って貨物として運ばれてきた貴重なお茶で、後味にはキャラバン隊がキャンプファイヤーで飲んでいた当時を思い起こさせるスモーキーさが残る。ゆっくりとされを味わいながら、美しい大聖堂を見つめている・・・というのがテーマとなった風景。

 

 

トップ:ミント、ブラックペッパー、ラズベリー
ミドル:ブラックティー、マグノリア、イモーテル
ベース:レザーアコード、フランキンセンス、バーチウッド、ラブダナム

上記の画像がサモワールというロシアで飲まれている茶器なのですが、その中に香水を入れ、下の蛇口からポタリと垂れた1滴をムエットに付けるという凝った展示が目を引きました。香りはトップに微かなミントを配置したスモークティーが軸で、レザーと共にゼラニウムが香ります。ラズベリーは微かなアクセントでフルーティーな香りとしてまとめられているわけではありません。イモーテルもアブソリュートではなく、甘く苦い感じではないのですが、クミンっぽいスパイシーさもありませんので、微かなアクセントとしているのでしょう。フローラルノートはマグノリアというよりもローズっぽく感じますから、おそらくMagnolanという香料を使用しているのではないかと思います。フローラルノート自体は感じられるものの、フェミニンさを感じるほどではなく、軽いレザーノートを柔らかくしているようなニュアンスなのです。ラストノートになってようやくレザーの中にラブダナムを感じられるようになるのですが、その中に微かにイモーテルの香りも混じっています。スモーキーだけどワイルドではなく、静かな時間を感じられるほど穏やかさをもったオリエンタルレザリーな香りですのでもちろんユニセックスで楽しめますよ。ラプサンスーチョンティーの香りがお好きな方は是非お試しを。(18/09/2014)


■Tango (2013年)

第3幕の4場はタンゴで、Cecile Zarokianによる調香となりました。満開のサンバックジャスミンが部屋に香りを運ぶ中、音楽と酒と共にタンゴを楽しむ真夏の夜。

トップ:ベルガモット、ブラックペッパー、カルダモン
ミドル:サンバックジャスミンアブソリュート、ダマスクローズ、クミン、パチョリ
ベース:バニラ、トンカビーン、メリローアブソリュート、アンバーアコード、レザーアコード、ベンゾイン、ムスク

ジャスミン云々という言葉に惑わされては行けません。これはアンバーの香水です。トップとミドルは全てスパイス的な扱いであり、トップの時点からすでにオリエンタル香が香るのです。少しレザー調というかスモーキーさを感じるアンバーノートとなっていて、スイートオリエンタルではあるのですが、肝心なフローラルノートがほとんど香っていないのが残念なんですよね。確かに真夏の夜に、こうしたオリエンタルノートが漂うとそれはそれでとってもセクシーだとは思うのですが、そこにはもう少しフローラルノートがあった方がセクシーな気がしてなりません。サンバックジャスミンはきちんと香りを感じられるのですが、部屋に入ってくるほど満開なイメージとはほど遠く、小さな鉢植えが窓の下にでもある程度にしか感じられません。ローズに至っては全くその存在をも感じられず、あっという間にベンゾインだけが取り残されてしまいます・・・。

テーマを感じられないから悪い香水だ、というわけでは決してないのですが、とても残念な感じです。(23/07/2014)


■Luci ed Ombre (2013年)

Giuseppe Imprezzabileによる調香。こちらの本名よりもMeo Fusciuniとしての方が有名で、自身のブランドも立ち上げています。第2幕の1場は「光と影」というタイトルで、麦畑と鬱蒼とした森の間に立っている様子がイメージです。目の前には光りが、背後には暗い影が・・・それはあたかも昼と夜に同時に抱かれたような安心感を覚え、時間も忘れてその場の空気感を楽しんだ、というのが設定場面。

トップ:フランキンセンス
ミドル:ジンジャー、チュベローズ、ジャスミン、モス
ベース:フランキンセンス、シダーウッド、パチョリ

光をトップ、影をベースとし、役者たちをミドルに挟み込んだ感じでしょうか。チュベローズとジャスミンという華やかでクリーミーな甘い香りを使用したとても個性的な香りです。フランキンセンスというよりもバジルに近いアロマティックな香りが、土っぽいジンジャーと共に香っているのがトップで、次第にチュベローズが出てきます。ココナッツとフランキンセンスにシプレなチュベローズを加えたようなテイストが長く続くのですが、微妙なユニセックスさを出しています。男性が使えるチュベローズですよね。レザーの香りはしませんが、Etat Libre D'OrangeのVierges et Torerosにとても良く似たラストノートで幕を閉じます。(15/04/2014)


■Montecristo (2013年)

第1幕の2場はトスカーナの田舎にある古いヴィッラです。時間は1日の終わり。古い木造記憶のヴィッラは大きな暖炉で炭が燃えている温かな空間で、最高級の革張りのソファーかに座りながらラム酒と共に葉巻を楽しむ優雅な時間・・・。調香は1幕の1場面と同じくDelphine Thierryが担当で、タイトルのモンテクリストはデュマの小説ではなく葉巻の名前なのかもしれません。いえ、その葉巻だってデュマから名づけられてはいるわけですが・・・。

トップ:カブリューヴァ、アンブレットシード、ラム
ミドル:タバコリーフ、セロリシード、シスタス、ベンゾイン
ベース:ゴールデンストーン、スティラックス、ガイヤックウッド、パチョリ

朝と夜の対比としては完全に夜の香りです。タバコのタールにガイヤックウードのスモーキーな香り、ラブダナムのこってりとした樹脂香やアニマリックさが真っ黒なリキュールのように香ります。かなりタバコのイメージを強くしているのもタイトルが葉巻であることを伝えているようにも思うのですが、このタール香は好き嫌いがわかれるかもしれませんね。Etat Libre D'OrangeのJasmin & Cigaretteの中のタバコに近く、その中からジャスミン香を全て排除し、ダークなウッディノートと樹脂香を追加した、という感じです。タバコのそれらしいタール香がひと段落するとラブダナムとガイヤックウッドが軸となってスモーキーなアンバーノートを形成して薄れていきます。毎日の香りにするには少しクセが強すぎるのですが、ここ一番として個性的に決めたいときは抜群かもしれませんね。(14/04/2014)


■Terralba (2013年)

第1幕の1場は地中海。潅木の茂みを背に、目の前に広がる地中海を見ている場面。そして時間は朝。
ビーチに続く小道を歩く朝の時間。狭く細い路地を抜けるとそこに広がったのは真っ青な海でした。
調香はDelphine Thierryが担当で、タイトルはおそらく砂浜のイメージなのでしょう。白い場所という意味の造語だと思います。

トップ:クラリセージ、レモン、グリーンタンジェリン
ミドル:マートル、タイム、カレーリーフ、イモーテル
ベース:レンティスク、ジュニパー、サイプレス、シダーウッド

何よりもまず際立つのが特徴的なグリーンノートです。おそらく土臭い系統のグリーンノートを使用しているのだと思いますが、すっきりで爽快感を感じるグリーンではなくやはりアロマティックな香りとしてまとめられています。トップの爽快さが抜けるとなんと通常はトップで香るはずのクミンが出てきてアロマティックでキレイだったグリーン香に少し影がつくようになります。イモーテルもありますので、時間と共にダークに歪んでいくのもわかりますし、カレーリーフとイモーテルというダブルのカレー香がアクセントなのです。これはユニセックスな香りではありますが、どちらかというとやはりメンズなテイストでしょうね。

海というイメージは感じられなかったのですが、朝の草原という雰囲気で男性であれば好印象なのではないでしょうか。特にメンズのフゼア香が苦手な方に良さそうです。そう、フゼアからラベンダーを抜いた雰囲気なのですから。(11/04/2014)

 

 

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