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Sampleレヴュー



Green Collection

 

■3-D Scent (2016年)

Philippine Courtiereによる調香で、タイトルのように立体的な香り。どうやって立体的に感じさせるのがポイントですが、難しいですよね。

トップ:エレミ、ジュニパーベリー、ペッパー
ミドル:パインニードル、パチョリ、シダーウッド
ベース:レザー、アンバー、モス

何かが弾けたぞ、とスプレーした瞬間に感じたのですが、それは精油感の強いハーブたちでした。パインニードルとジュニパーにペッパーが重なり、ピネン系がスパークしたのです。でも、そこからはじわりじわりとゆっくり香るアロマティックさで、メンズフレグランスのベースにあるようなレザーが香りを支えています。少しファッションフレグランスのテイストに感じられるかな、とも思うのですが、フゼアではないのでユニセックスを意識したメンズフレグランスでしょう。(24/08/2018)


■Irisation (2016年)

Philippines Courtiereによる調香で、ロマンスとフェミニンさを時代遅れだと思う女性は、本当に素晴らしい香水を使ったことがないのだろう・・・ということで、そうした香りを作ったようです。

トップ:ベルガモット、ストロベリー、ブラックカラント
ミドル:ジャスミン、ローズペタル、プラリネ
ベース:パチョリ、バニラ、ムスク

アイリス・・・ではないんですよね。虹色のカラフルさをテーマとしたのかどうなのか、香りは一世を風靡したLanvinのEclat D'Arpege風のフルーティーフローラルで、ベースノートはほとんどわからず、可愛らしいまま消えていきます。この香りを212ユーロというのはとても躊躇われますが、誰もが好きそうなフルーティーフローラルというのも、20本というラインナップを考えたらあって然りなのかもしれませんよね。(24/08/2018)(24/08/2018)


■Refocus (2016年)

Fabrice Pellegrinによる調香で、ユニーックスで使えるフローラルアルデヒドに再度焦点を当てたというもの。

トップ:アルデヒド、フランキンセンス
ミドル:ガイヤックウッド、パチョリ、シダーウッド
ベース:シスタス、サンダルウッド、スエード、ムスク

うわぁ、アニマリックなアルデヒドって初めてかも・・・。思わず声を上げてしまうほど、アルデヒドとアニマルノートでスタートです。その強烈なパンチにノックアウトされるかと思いきや、アニマリックな部分は潮が引くように薄れ、オリエンタルなウッディムスクへと変貌を遂げます。でも、アルデヒドとアニマルノートの欠片は残しつつ、全てがムスクで包まれて肌の上に残るというとても意表を突かれた香り。(24/08/2018)


■Ten Strike (2016年)

Jacques Floriによる調香で、成功の象徴を香りにしたもの。重要な会議で使って下さい、なんてこれもありきたりすぎるテーマです。

トップ:ベルガモット、オレンジ、ローズウッド、ピンクペッパー
ミドル:ホワイトフローラル、ゼラニウム、パチョリ、バルサムファー
ベース:シダーウッド、ベンゾイン、モス、ムスク

これは幅広く人気の出そうなスパイシーなアロマティックウッディです。トップではピンクペッパーがアロマティックに弾け、そこからゼラニウムを感じるフローラルウッディへと変化していくのです。軽いアンバーウッディがベースにあり、Van Cleef & ArpelsのCologne Noirを彷彿とさせる香りに。そうだよなぁ、Cologne Noirもスパイシーなアンバーウッディなのだから。(24/08/2018)


■The Smart Set (2016年)

Nathalie Lorsonによる調香で、「この香りを探している人のための香り」って何それ、斬新!! 全てに当てはまり、何でもいいわけですよね。

トップ:ベルガモット、グレープフルーツ、ペッパー
ミドル:プラム、クローヴ、シダーウッド
ベース:パチョリ、コーヒーアコード、ベチバー

あぁ、これは難しいかもしれない。誰もが似合うという香りではなく、トップの印象はアニス系のハーブで、香りはそこからどこかメンズっぽいオリエンタルウッディへと変わっていくのです。コーヒーとクローヴのコンビネーションに微かなフゼアニュアンスを足したような雰囲気で、ミドルを抜けるとユニセックスな香りとなり、少しグルマン調の甘さが肌に残ります。そうそう、こういう香りを探していたんだよね、という人は少ないだろうなぁ。(24/08/2018)






Purple Collection

 

■Affecting Mind (2016年)

Elise Benatによる調香で、タイトルは影響を与える心。他人の心に手を差し伸べると、あなたはその人の一部になる、というのがテーマのよう。

トップ:ジンジャー、カルダモン、セサミ
ミドル:ヘーゼルナッツウッド、シダーウッド、ベチバー
ベース:スエード、アンバー、ムスク

とてもドライなスパイスで始まります。スパイスだけではない何かを感じ取ろうとじっと嗅覚を澄ますと、突然ふわっとナッツの香ばしい香りが届きました。ナッツはものの数秒で風のように駆け抜けていき、肌にはスパイスとナッツの残り香がウッディムスクと共に残ります。あっという間にラストノートになるのですが、スエードやアンバーノートは強くはなく、テーマにつながりそうな温もりを感じる香りです。(23/08/2018)


■Cashmere Beige (2016年)

Karine Vinchon-Spehnerによる調香で、タイトルそのものがテーマです。ベージュのカシミアの香り。

トップ:ベルガモット、レモン、マンダリン、H2O
ミドル:ホワイトフローラル、ヴァイオレット、アイリス
ベース:シダーウッド、トンカビーン、ムスク

これは、懐かしいファッションフレグランスにあったであろう香り。トップはシトラスだけではないフルーツが可愛らしく香り、そこからホワイトフローラルとヴァイオレットに切り替わり、柔らかなフローラルムスクとなって落ち着きます。誰もが使いやすく、特に日本人好みな透明感のあるテイストですが、Yves Rocherにありそうなフルーティーフローラルムスクですので、価格からすると少し残念で、持続もそこまで長くはありません。(23/08/2018)


■Joking Aside (2016年)

Fabrice Pellegrinによる調香で、幾重にも重なった洗練された美しさを好む女性のための香り。これも、どこにもありそうな、ありきたりなテーマですよね。

トップ:コリアンダー、フリージア、ジャスミン
ミドル:サンバックジャスミン、ローズ、オレンジブロッサム
ベース:トンカビーン、サンダルウッド、バニラ、ムスク

一言で言ってしまえばスイートフローラル。コリアンダーだったのか、という過ぎ去りやすいトップを抜けると、1つ1つのフローラルノートが感じられないほどブーケとなったフローラルノートが、バニラのヴェールに包まれて香るのです。バニラがなかったら、もう少しフローラルノートが際立ち、クリアになっていたであろうに、バニラが多すぎてその奥にあるフローラルが見えづらい、という組み合わせで、ほの甘いスイートフローラルがふわふわと肌の上で香り続けます。(23/08/2018)


■Meek Passion (2016年)

Robertetの若手、Serge De Oliveiraによる調香で、タイトルは控えめな情熱。情熱って何? どんなもの? 経験していない人はわからないよね、という話から生まれた香りだそう。

トップ:ベルガモット、レモン、アップル、バナナ
ミドル:パイナップル、パウダリーノート、シナモン、クローヴ
ベース:カシミアウッド、ベチバー、バニラ

とても印象的なパイナップルで始まるのですが、なんとその奥からシナモンとクローヴが香り始めるというユニークなコンポジションでした。アップルではなくパイナップルなのですから。フルーティースパイシーウッディという形で肌に残り、情熱というより熱帯のトロピカル感を思い起こさせてくれます。トップからミドルへの変化がしっかりとあり、これは使っていて楽しいと感じられるはず。(23/08/2018)


■Mystic Treasure (2016年)

Hamid Merati-Kashaniによる調香で、オリエンタルを好むニッチなフレグランスファンのための香り・・・だそう。

トップ:ベルガモット、ロータス
ミドル:ジャスミン、ガーデニア、プラリネ
ベース:タバコ、バニラ、サンダルウッド

確かにニッチなフレグランスファンの間ではオリエンタルというか、こうした香りが大流行しているのは確かです。それは、調香師たちがたくさん使用するからなのですが、これは酷い。調香にはないアンバーグリスノートが大量に使われており、全てを覆い隠してしまっているのです。アンバーグリスとクリーミーなサンダルウッドがバニラと共に肌に残るのですが、とても単調で退屈な香りです。(23/08/2018)

 



Azure Collection

 

■Azure Haze (2016年)

Harry Fremontによる調香で、テーマとなったのは幸福感を感じる香り。、エキゾチックな浜辺、夢のような夏の朝、花咲く庭・・・などとしていますので、リゾート地で過ごす日々をイメージしたのでしょう。

トップ:マンダリン、グアヴァ、コリアンダーリーフ
ミドル:サフラン、マテ、タイム
ベース:スエード、オークモス、ムスク

シトラスが弾けると共にパッと一瞬香ったのはフィグリーフでした。でも、フィグリーフだったのかな? と思う程度で香りはすぐにサフランとスエードへと変化していきます。いくつか重なっているグリーン香とフレッシュノートがどことなくメンズっぽく感じられるのですが、肌に残る少しラクトニックなスエードムスクはユニセックスです。全体的な印象がとても穏やかというか薄く、トップで少し個性的に感じたわくわく感が、平坦なラストノートに導かれてしまい、少し肩透かしを感じてしまいました。それでも、とても使いやすいスエードムスクだと思います。フィグが生き生きと香ればもう少しリゾート感を感じていたかもしれません。(22/08/2018)


■Neon Night (2016年)

Hamid Merati-Kashaniによる調香。何故このタイトルでこの香りになったのか、テーマ等は公開されていません。

トップ:ベルガモット、グリーンティー、マンダリン
ミドル:ジャスミンペタル、スズラン、ピオニー
ベース:ガイヤックウッド、サンダルウッド、アンバー、ムスク

パッとシトラスが弾け、とても明るく始まりますが、香りはすぐにジャスミンやスズランにティー系のグリーンを少し重ねた薄いフローラルにたっぷりムスクを乗せた香りへと変化して落ち着きます。その間わずか30秒。トップノートは昔懐かしいフレグランスのテイストでしたが、肌に残る香りはたっぷりムスクを投入したアーデンのグリーンティーといったところでしょうか。誰もが好みそうですが、個性は全くありません。(22/08/2018)


■No Coward (2016年)

Daniel Visentinによる調香で、テーマは自信に満ちた女性の香り。男性を魅了する、自分に自信を与える、自然な魅力を感じさせる・・・というのは、あまりにも使い古された、ありきたりなテーマですよね。しかも、ざっくりとしていてどのような香りにも使えそうなフレーズです。

トップ:マンダリン、アミルサリチレート、ローズウッド
ミドル:ローズ、フローラルノート、クローヴ
ベース:パチョリ、パピルス、バニラ、ムスク

アミルサリチレートというのはカーネーションやオーキッド系の少しグリーンなフローラルなのですが、それがクローヴやローズと相性が良く、スパイシーなトップを押し広げて始まります。スパイシーなフローラルから微かにパチョリの効いたスイートムスクへと変化するのですが、やはりそこまでのスピードがとても速く、1分で終わりを迎えてしまいました。ローズは強くはなく、スイートフローラルムスクに少しスパイスが加わった、というのが全体像で、ユニセックスなまとまりです。(22/08/2018)


■Pitch And Toss (2016年)

Hamid Merati-Kashaniによる調香で、タイトルはコイン投げのゲームのこと。テーマはリスクの香りで、冒険とリスクを香りにしたらどんなものになるのかな、というところから発想したようです。

トップ:ベルガモット、アップル、バジル
ミドル:ローズ、シダーウッド、パチョリ
ベース:ベンゾイン、バニラ、アンバー

とてもメンズライクです。2、30年くらい前に流行したメンズの多くのファッションフレグランスからフゼアな部分だけを抜き去ったような香り。アップルが微かにトップでフレッシュさを添えますが、駆け足で消え去り、アロマティックな残り香がを携えたスイートウッディへと変化していきます。特に近年大流行のアンバーウッディノートやアンバーグリスが強く香り肌に残りますので、懐かしく始まり、現代風に終わるメンズのファッションフレグランス風の香り。最後は他の香りと同じく、大量のムスクが少しオイリーなアンバーと共に肌に残ります。(22/08/2018)


■Vibrant Scent (2016年)

Fabrice Pellegrinによる調香で、ファッショニスタやトレンドセッターに好かれる香り・・・ということは、流行の最先端を目指したようなことでしょうか。

トップ:フリージア、ピンクペッパー、スズラン
ミドル:アイリス、ジャスミンペタル、シダーウッド
ベース:カシミアウッド、バニラ、ホワイトムスク

とても鮮やかに、タイトルのようにヴィブラントにピンクペッパーが広がります。ピンクペッパーを楽しめる香りなんだ・・・と余韻を楽しんでいると、香りはゆっくりとジャスミンやスズランに切り替わり、フローラルノートが登場してきます。そこからはゆっくりとシダーウッドムスクへと変化し、スパイシーフローラルウッディというのが全体像となります。こちらもたっぷりのムスクが使用されており、柔らかな残り香を作り出しています。取り立ててユニークな香りではないかもしれませんが、ピンクペッパーが鮮やかで、Azure Collectionの中では一番好印象でした。(22/08/2018)





Blue Collection

 

■Blue Waterfall (2016年)

Marie Salamagneによる調香で、タイトル通りに青い滝をイメージした香りに。

トップ:ベルガモット、スイカ、ブラックカラント
ミドル:キャローン、海藻、グリーンサップアコード
ベース:サンダルウッド、ムスク

一世を風靡したキャローンを用いたスッキリ爽快、あの頃のマリンフレグランスです。少しグリーンが効いているのが特徴で、キュウリっぽい瓜系のニュアンスも生き生きと香ります。以前ほどパワフルにグイグイと香らないのは、今の時代に合わせて控えめにしたんでしょうね。案外あっさり消えていくので、あの頃のマリンノートが苦手だった方も、これくらいなら使えるのでは・・・といったところ。(21/08/2018)


■Hit The Mark (2016年)

Philippine Courtiereによる調香で、香りはグルマン。一部に愛され、一部に不人気なグルマンを、的に当たる、つまり命中するというタイトルに。

トップ:ミント、ジャスミンペタル、フランキンセンス
ミドル:チョコレートアコード、シダーウッド、パチョリ
ベース:シスタス、ベンゾイン、バニラバーク

あれ? どこにミントがいたの? チョコミントは近年のブームじゃないかとわくわくしながら香ったのですが、見当たらずに残念。香りはComptoir Sud PacifiqueのAmour de Cacaoにそっくりなチョコクッキーが軸となっています。香ばしいナッツやクッキーがトップで香り、そこから香ばしさが抜けて、ゆっくりとチョコレート系オリエンタルに変化していきます。それでも高濃度のパワーはなく、案外あっさりとしているのが特徴です。しかし、どうしてこのグルマンがブルーというカテゴリに入っているのでしょうか。なんとも統一感のない5種類に感じてしまいます。(21/08/2018)


■Time To Target (2016年)

Karine Vinchon-Spehnerによる調香で、テーマは香りに気づかずに通り過ぎることがない、イケメンに見せる香り。これもどんな香りにも通じる、ありきたりすぎるテーマです。与えられた調香師も大変ですよね、漠然とし過ぎてしまって。

トップ:ベルガモット、エキゾチックフルーツ、ラバンジン
ミドル:ガルバナム、ピンクペッパー、パチョリ、シダーウッド
ベース:ムスク、レザー、モス

誰もが気になって仕方がない、というのは言い換えたら「違和感」にもなります。トロピカルフルーツにラベンダーとガルバナムという不味くしていく組み合わせに、レザーとパチョリを合わせたのですから。好きな方にはぴったりなのかもしれませんが、一筋縄にはいかない、理解しづらいタイプの香りだと思います。でも、パランスはとても良く、ラストノートはGuy LarocheのDrakkar Noirに通じるのもに。そう、基本的にメンズです。(21/08/2018)


■Winged Heart (2016年)

Christian Rostainによる調香で、テーマは翼を授ける香り。つまり、希望や自信を与え、前向きになれるという香り。いつの時代もある不滅のテーマですね。

トップ:ベルガモット、レモン、アブサン
ミドル:カーネーション、オレンジブロッサム、スパイス、ペルーバルサム
ベース:ムスク

笑ってしまうほど鮮やかに弾けるスパイス。カーネーションにはクローヴが必要ですが、その部分をもっと鮮やかに誇張し、クローヴだけではなくペッパーやナツメグなんかも投入したのでしょう。香りは次第にバルサム調のカーネーションへと変化して落ち着くのですが、ユニークなことに、チュベローズにある湿布香、サリチレートが時折ふっと顔をのぞかせるのです。普通ではない、とってもユニークなカーネーションの形。そこからテーマを感じられるかは人それぞれですが、香りはユニセックスで楽しめますよ。(21/08/2018)

 

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