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Mona di Orio / モナ・ディ・オリオ




Sampleレビュー
Amyitis
アミティス
Eau Absolue
オー・アブソリュ
Violette Fumee
ヴァイオレット・フーム

フランスとイタリアの家系を汲んでいるMona di Orioを調香師として迎え、Jeroen Oude Sogtoenが2005年に立ち上げた香水ブランド。ブランドを立ち上げるために調香師を探していたのだそうで、調香師の名前をブランド名にすることが大切だったのだそうです。(こうして調香師である彼女の名前がブランド名となりました)

Monaは小さな頃から香りに興味を持っていた子どもでした。両親が香水をたくさん所有していたこともあり、空のワインボトルにバラの花びらやレモンを詰めて、自分のものを作り出そうとしていたそうです。そんな娘の様子を見ていた父親が、16歳の誕生日にプレゼントしたのが「香りのオルガン」だったのです。それは自作香水を作るためのキットです。彼女は夢中となり、グラースで調香を学ぶことを夢見ます。でも、家族の誰をしてもコネはなく、仕方なくはじめたのが独学です。教科書としたのはEdmund Roudnitskaの書籍だったそうです。Edmund Roudnitskaと言えば香り好きな人に知らない人はいないというくらいの黄金期を支えた著名な方です。彼の書籍はすでに絶版になっているものもあったりしたのですが、なんとか手に入れたいと思い、彼女はご本人に手紙を出すことにしました。友人には無理だと笑われたそうなのですし、彼自身すでに年老いた上に多忙だったこともあり、一種の賭けのような状態だったそうです。しかし、彼は自身の書籍を手配しただけでなく、自宅に招待してくれたそうなのです。そこからEdmund Roudnitskaとの交友がはじまり、1986年に彼の研究所で直接指導を得るようになります。1996年にEdmund Roudnitskaがこの世を去ってからは、Edmund Roudnitskaの奥さんの希望によりそのまま研究所に残ることとなります。そこで最高品質の香料を手配するすべを知り、質の良さを見極める鼻を磨き、調香を学びます。Edmund Roudnitskaは彼女に「良い香りというものはベースノートが全てだ」と教えます。

あっという間に10年が過ぎ、彼女はオランダのファッションデザイナーJeroen Oude Sogtoenと出会ったことでブランドが生まれます。アルステルダムを拠点にブランドは設立され、ボトルはJeroen Oude Sogtoenが、調香はMona di Orioが担当して3つの香りでデビューしました。Lux、Carnation、Nuit Noireという3つの香りのボトルは木箱に入っており、ボトルのキャップはJacquessonというシャンパンメーカーのchampagne muselet(コルクの上に乗っている王冠)を使用しています。これは彼女が大のワイン好きだからだそうです。

Edmund Roudnitskaという庇護者のおかげもあって、彼女のデビューは成功を約束されたようなものでした。デビューと同時に世界各国で取り扱いが始まったのですから。良い香りを創り出すということは美しい詩を書くようだと言っています。最高品質の素材を使い、ひとつひとつ手作りされるアーティスティックな製品たちは、1920年〜50年の香りの黄金期をイメージしているそうです。もともと昔はこうして手作りしていたものなのよ、と。 (14/12/2007)

2011年12月9日、Monaはまだ若き40代で亡くなりました。合併症が引き起こした突然の死に業界は騒然としましたが、パートナーであるJeroen Oude Sogtoenがブランドを守っていくこととなりました。(03/08/2012)

彼女の死後、何もなかったかのように彼女のレシピと言いつつ発売していく姿に疑問を感じる消費者が増えてきました。デッドストックというのは言わば未完成レシピなのですから、世に送り出して欲しくはなかっただろうに・・・と思うと、今のスタイルが残念な感じに思えてなりません。また、シグネイチャーコレクションは全て一度廃番とし、来年作り直して再販予定だそうですが、Miller Harrisと同じ印象で、大好きな香りたちなのに使うと疲れてしまう、肩が凝るような商品たちが多いのです。うーん、少し残念。出来ればご存命なうちに購入してあげたかったなぁ。(16/05/2013)

今後、どのようにブランドを推し進めていくのか、パートナーのJeroen Oude Sogtoen氏に直接お聞きしてきました。今後についてはまず、下記にもあるようにSignature Collectionを再販していくそうです。おそらく一気に全てをリリースせずに、時間をかけてリリースしていくのでしょう。しかし、限度がありますよね。彼女はもういないわけですから、全くの新作が生まれることはないわけですから。その後のお話を伺うと、やはり彼女に依存し続けるのは無理なので、どこかのタイミングで外部の調香師を受け入れ、世代交代していくことを考えているそうです。それをお聞きしてとても安心しました。

また、日本に進出した際には、各百貨店や販売店、セレクトショップなど幅広く展開するのではなく、1店舗だけで販売していきたいとのこと。急がず、ゆっくりと確実にファンを増やして行きたい、ブランドを大切にして育てていきたいという、そんな気持ちが伝わってきて嬉しくなりました。

オフィシャルサイトからは、5mlのロールオンが1つから買えるようになりましたので、少量で試した方は是非、オフィシャルから。(27/09/2013)

2014年、秋。ボトルとブランドロゴを全て一新して再スタートとなりました。ボトルサイズも100mlから75mlとなったことで価格も下がり、140ユーロに。有名なParisのAteliers Dinandによるボトルはとてもしっかりとした手に収まりやすい形となっており、ラグジュアリー感が増しています。そして、新たにスタートしたMonogramコレクションから、初めてMona以外の調香師を起用することに。Melanie Lerouxは長年Monaが働いていたGrasseのAccords et Parfumsの調香師です。新たなボトルのものたちは最初5種類だけですが、ストックがなくなり次第順次リニューアルしていくそうです。ストックをディスカウントに回さず、大切にしていく心がとっても素敵。(07/10/2014)

 

レヴュー済みのものはタイトルにリンクあり

Domaine (2023年)
Santal Nabataea
(2018年)
Suede de Suede
(2017年)
Dojima (2017年)
Bohea Boheme (2016年)
Myrrh Casati
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Violette Fumee (2013年)
Rose Etoile de Hollande (2012年)
Oud Osmanthus (2011年) *Oud改題
Vetyver (2011年)
Vanille (2011年)
Tubereuse (2011年)
Ambre (2010年)
Musc (2010年)
Cuir (2010年)
Nuit Noir (2006/2015年) *再販
Lux (2006/2015年) *再販

Signature Collection
Jabu (2009年) *廃番
Chamarre (2009年) *廃番
Amyitis (2008年) *廃番
Oiro (2007年) *廃番
Carnation (2006年) *廃番
Nuit Noir (2006/2015年) *再販
Lux (2006/2015年) *再販

Alinea Collection
Sainte Blanche (2019年)
Cafe Simien (2019年)
Four Thieves (2019年)
Mellifera (2019年)
Rose Concrete (2019年)
Semper Augustus (2019年)
Tabaceau (2019年)
Vermilion Wood (2019年)


Special Thanks (Sample提供) ■Mona di Orio (from Netherlands)

Official >>> 英語 (International shipping対応可)
Shopping >>> Luckyscent (USA), Aus Liebe zum Duft (First in Fragrance) ※International shipping 〔OK〕

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