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Sampleレヴュー

■Use Black (2019年)

色彩の魔術師と呼ばれたフランスの画家Henri Matisseは黒が生きる歓びだと言った。調香師のPatrick Bodifeeはその歓びに影を付けました。それは、影があって完全となるから。

 

 

レザー、サフラン、ルバーブ、ジャスミン、パチョリ、ピンクペッパー、ウード、バニラ、ラズベリー、サンダルウッド、アニマルノート

黒は昔から人々を魅了してきたわけで、多くのブランドが黒を香りで表現してきました。今回の香りはアンバーグリス系のウードを軸に、パチョリとアニマルノートを足し、レザーのニュアンスで滑らかに表現したものとなりました。アニマリックなウードの中にジャスミンが感じられるというのは、少しユニークな印象を与え、アニマルノートを和らげています。全体的に今までになかったような斬新さはないのですが、ジャスミンの存在だけがこの香りを変化させているのです。アニマリックなウードが黒だったら、影をジャスミンで表現したのではないでしょうか。近年頻繁に使用されているアンバーウッディ、アンバーグリス系の香料が全面に出てくる、時代を感じさせる香りです。(10/07/2019)


■Esmeralda (2019年)

エメラルドというタイトルで作られた、ジプシーのダンス。エメラルドのドレスを着たジプシーという意味なのでしょうか。調香はLuca Maffeiが担当です。

 

 

ベルガモット、マンダリン、カシス、ジャスミン、ローズ、イランイラン、ウォーターリリ、シダーウッド、ソーラーアコード、バニラ、ムスク

可愛らしいフルーティーフローラルでスタートしたエメラルドは、たっぷりのフレッシュフローラルに支えられてとてもシアーに香ります。このたっぷりのフレッシュフローラルで香りを包むというのは、高濃度でも軽いという近年のフレグランスに良くある調香で、彼はそこにクマリンやムスクをベースに、少しパウダリーなフローラルムスクへと導く香りとしました。全体に軽やかなので、エメラルドの風というか、風に揺れるエメラルドのドレスというイメージなのかもしれませんね。途中どこかガーデニア風に感じられる瞬間があったりしましたが、最後は典型的なアンバーノートとなって終わります。(10/07/2019)




 

■Cher Tetu (2017年)

正直な頑固者、みたいな意味がタイトルとなりました。

マルベリー、サフラン、ナツメグ、マグノリア、ホワイトローズ、レザー、スイートウッディ、パチョリ、アンバーグリス、サンダルウッド、ホワイトムスク

調香からすると、どのようにまとめてあるのかわからないものに感じていました。スパイシーなのか、フローラルなのかレザーなのか、オリエンタルなのか。香ってみると、ローズを軸としたスパイシーなフローラルレザリーが軸で、トップではスパイスが弾け、すぐにレザリーなローズが後を追います。シトラスノートはほとんど感じられなく、後半はアンバーウッディノートが軸となって香りを支えていきます。古き良き時代を守る頑固者ではなく、新しいものは率先して取り込んでいく頑固者なんですね。(29/06/2017)


■Giuseppe (2017年)

Giuseppeというのは、日本で言う太郎のような名前。一番有名で、一番多い名前です。調香はLuca Maffeiが担当です。

ベルガモット、レモン、ビターオレンジ、イエローマンダリン、ラベンダー、モロッカンネロリ、オレンジブロッサム、サンバックジャスミン、アンブロキサン、アンブレットリド、ムセノン

イタリア人を香りで表現したらこうなった、という感じでしょうか。ビターオレンジがさっぱりとネロリっぽく香り、ビターオレンジの香りの良さを感じられたところでゆっくりと香りはムスクへと変化していきます。ビターオレンジの残り香がムスクに引っ張られて持続をしますので、コロンのような軽さではなく、しっかりと肌に残ってくれます。でも、シトラスムスクですからやはり思い出されるのは入浴剤。GuerlainのAqua AllegoriaにあるBergamote Calabriaのビターオレンジバージョンというような香り。(29/06/2017)


■Mozzafiato (2017年)

息をのむような、ハッとする瞬間を香りとして表現したもの。

ベルガモット、ピンンペッパー、フランキンセンス、ペティグレン、アイリス、レザー、カシミア、アンバー、ベチバー、オークモス

確かに、ハッとするような美しいアイリスが広がります。アイリスだぁ・・・と、うっとりしていると、中からフランキンセンスとレザーが登場し、オリエンタルなアイリスへと変化していきます。甘さは強くはないのですが、アイリスをこってりとさせる程度に配置され、しっとりとしたボディクリームのような手触り感というか、カシミアのような柔らかく温かみをもった香りとなって肌に溶けていきます。アイリス系の香水を集めてみると決してこういう組み合わせ、まとめ方が珍しくないことがわかるのですが、テッパンとも言うべき美しい形だと思います。(29/06/2017)


■Ravi (2017年)

Cecile Zarokianによる調香で、とても幸せである、喜びの意味のフランス語がタイトルに。

オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ラム、ダヴァナ、ナツメグ、シナモン、イモーテル、タバコ、レアウッド、レザー

たっぷりのシトラスに包まれたスパイスたちが、とてもクールに香って始まります。シトラスとシナモンにクローヴが入るとクリスマスのポマンダーになっていくのですが、こちらではそのクローヴを使用せず、ポマンダーではない形へと導いていくのです。時間と共にシナモンが強まり、シトラスが薄れる頃からベースのレザーやタバコが微かに香るベースへとつながります。重渋系でありながら、ドライでクール。ユニセックスな香りではありますが、男性の方が似合いそう。でも、こういう香りこそフローラルに飽きた女性に試して欲しいと思うのです。(28/06/2017)


■Than..White (2016年)

タイトルの意味が分かりづらいのですが、白い虹を捕まえるには、満月の夜しかない、ということで月光を虹に例えているのかもしれません。

ローズマリー、アイリス、ジュニパーベリー、ヴァイオレット、イランイラン、パチョリ、プレシャスウッド、ホワイトムスク、アンバー、ラブダナム、バニラ、トンカビーン

香りは、白とは真逆の黒で始まります。これこれこれ、この発想ですよ。黒があるから白さが際立つというものなんでしょうね。たっぷりパチョリとアイリスの中にオリエンタルノートとアロマティックなエッセンスが隠され、ジュニパーベリーやローズマリーの一瞬の煌めきにうっとりとした瞬間、香りはヴァイオレットを含んだパウダリーなオリエンタルパチョリに溶けていきます。ラストにはきちんとラブダナムらしさも感じられますし、クマリンの香りもあります。全体としてクラシックでありながらモダンであり、時代に流されない黒の香り。(28/06/2017)

 

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