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Sampleレヴュー

 

■Orm (2018年)

祖先であるヴァイキングたちが辿ったであろう足跡。Svear(スウェーデン人の祖となった族の国)の雪解けた森を抜け、ドラゴンヘッドの船がバルト海の波を蹴散らし、毛皮とハチミツを金、銀、シルク、スパイスなどと交換をするため、南へと旅をする。タイトルはバイキングたちが使用した帆船、ロングシップのこと。

トップ:ワイルドミント、バーチ、パインニードル、シーウィード
ミドル:ハニー、ヤロー、ファーバルサム、シダーウッド、ペッパー
ベース:ドリフトウッド、アンバーグリス、ヘイ、レザー、ムスク

アロマティックなハーブとウッディノートが微かなスモーキーノートとハニーに柔らかく包まれたような香り。後半は干し草の香りが強まり、クマリンがスモーキーなアロマティックと共に肌に残ります。タール系のスモーキーノートは今ブームですので、現代にぴったりな過去の香りという感じでしょうか。高濃度でもパワフルなわけではなく、とても柔らかく香りますよ。(27/07/2018)


■Nadir (2018年)

真っ暗闇を旅する。夜空の星は、暗ければ暗いほど、明るく輝いて見える。タイトルは最も黒いという意味。

トップ:カンファー、カルダモン
ミドル:パチョリ、レザー、ミルラ
ベース:カストリウム、タール、バニラ

たっぷりの、本当にたっぷりのカルダモンとカンファーがトップでオリエンタルに香り、余韻を携えたまま少しスモーキーなオリエンタルへと変化していきます。本当に精油感の強い香りで、パチョリがそれほどパチョリらしく香っていないことが意外でした。焦げた黒糖のようにトロリとした甘さと焦げたスモーキーさが、暗いというイメージにそって流れていきます。カルダモンのシャワーは衝撃的なほどでしたが、とても気持ち良く楽しめたトップでした。もちろん肌に残る香りもステキですよ。(27/07/2018)


■Vaan (2018年)

私たちが知らなかった遠いユートピアへの憧れは、人類の歴史より古いもの。現実と理想が乖離しているように感じる時は、旅をしたり、新しい方法を模索したり、慰めあったりする。伝統と先人の知識への賛辞というのがテーマ。タイトルは北欧神話に登場するヴァン神族のことだそう。

トップ:ベルガモット、シナモン、クローヴ、ネロリ、ピンクペッパー
ミドル:コリアンダー、シスタス、ローズ、ベンゾイン、ラブダナム
ベース:バニラ、シベット、カストリウム、オポポナックス

ほぼほぼナチュラルなのではないかと思う、ダークなスパイシーオリエンタル。トップこそスパイシーでしたが、香りはすぐにシスタスにベンゾインというオリエンタルベースに変わり、シナモンとクローヴの余韻を引き留めつつ、しっとりと香ります。基本的に強い香料の組み合わせですが、1つ1つが突き出た香り方をせず、1つにまとまってゆっくり香るので、とてもバランス良くまとめられた香りですよ。最後はラブダナムが肌に残ります。(27/07/2018)

 




■Ashka (2018年)

ご存知のように、香水はPer Fumumという言葉が語源。煙を通じて・・・そう、神への祈り。煙はどこから始まってどこにいくの? タイトルは灰のこと。

トップ:クベバペッパー、ガンパウダー、ガイヤックウッド
ミドル:タバコ、ウード、ガルバナム、フランキンセンス
ベース:ケード、スティラックス、コフィンウッド、アッシュ

微かな微かなガルバナムがアクセントとなったタバコウッディな香り。フランキンセンスを軸としたスモーキーな香りしたらもう少しタイトルのイメージには近かったのかもしれませんが、タバコウッディにガルバナムを、それも印象的なほど強くはなく、ごくごく少量で合わせるというユニークさ。スモーキーなケードの量もスモーキーさを少しだけ感じられる程度に留められていて、全体的にとてもバランスの良さを感じます。ただどうしても精油感の強いものは似たようなテイストになってしまいますが・・・。(26/07/2018)


■Svaha (2018年)

儀式に使用される炎とスパイス。贅沢と質素、豪華さと禁欲、フリルとキッチュ、母なるインド。いつも私たちを魅了するものたち。タイトルは聖火のこと。

トップ:フランキンセンス、カルダモン、ロングペッパー、ギー、ジンジャー
ミドル:コリアンダー、シナモン、ターメリック、ヒマラヤシダーウッド、カラメル、フェヌグリーク
ベース:ミルラ、ラブダナム、アンブレット、ゴートヘア、ハイラックス、スモーク

Ashkaの軸がフランキンセンスではなかったのは、こちらの香りがフランキンセンスで始まるからなのかもしれません。樹脂を焚いたそのままのフランキンセンスがゆっくりと肌から溢れだし、ほろ苦いビターウッディオリエンタルへと変化していきます。ゴートヘアもハイラックスもアニマルノートですが、アニマリックなわけではなく、スモーキーさが強いわけでもありません。薬草ではなく、スパイスを煮詰めてつくったシロップのような、スパイシーオリエンタル。(26/07/2018)

 

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