■Ciliegio & Passione (2017年)

桜と情熱をテーマとしたタイトルです。桜の香りにラベンダーとタバコ? どうなっているか気になりますよね。

トップ:ベルガモット、ラベンダー、イエローマンダリン
ミドル:シナモン、チェリーブロッサム、カシミア、パチョリ
ベース:トンカビーン、タバコ、バニラ、ハニー

香りは、とても個性的でユニークです。桜に通じるアニス調、クマリン調のパウダリーフローラルが広がるのですが、すぐにそれがシナモンに包まれていきます。シナモン、タバコに少しこってりとしたハニーノート、そこに桜が重なっているのです。でも、決して桜の香りがメインにあるわけではなく、アクセントとしてのフローラルで、全体を捉えて説明すのならば、シナモン調のフロリエンタルでしょう。ラベンダーはほとんどわからないくらいの量で、時間と共にフローラルノートは抜け、ハニーオリエンタルが肌に残ります。肌寒い季節ならばとてもカッコ良く香るのではないでしょうか。(20/06/2017)


■Acacia & Unicita (2015年)

アカシアと独自性というタイトルで、アカシアというと多種多様ですが、家具に使われているのは深みのあるブラウンのものなんですね。ミモザとはまた別です。

トップ:ラズベリー、オレンジブロッサム、ベルガモット、レッドマンダリン
ミドル:スズラン、アイリス、イランイラン、サンバックジャスミン
ベース:インディアンサンダルウッド、アンバー、トンカビーン、ハイチベチバー

驚くほどジューシーで明るい、可愛らしいラズベリーがトップで弾け、とにかく可愛らしいスタートです。その後もラズベリーの甘酸っぱい香りが主張の少ないフローラルノートに重なっていきますので、基本はラズベリー系のフルーティーフローラルとなっています。アイリスのパウダリーさはなく、スズランやジャスミンのシンプルなフローラルに少しグリーンにも感じられるラズベリーがとても良くマッチしていて、最後までウッディノートは感じられません。最初の4つの香りの中では唯一、レディースという位置にある香り。(20/06/2017)


■Ebano & Forza (2015年)

エボニーウッド、つまりは黒檀と力強さというタイトル。でも、それを表現したのはエボニーウッドではなくウードだったのです。

トップ:ブルガリアンローズ、モロッカンローズ
ミドル:モロッカンローズアブソリュート、ラブダナム
ベース:パチョリ、ウード

香りは確かにウードです。でも、ローズというほど華やかなローズが広がるわけではなく、ウードの方に重点を置いたオリエンタルウッディ。力強いというイメージを尊重したわけですね。ローズが華やかに香らないため、メンズ寄りの世にセックスな香りとなっているのですが、時間と共にパチョリも主張を初めてどんどんセクシーな香りとなっていきます。ウードがアニマリックではなく、どっしりとした香り方もしていないので、これならば女性でもカジュアルに楽しめるはず。フェミニン過ぎないローズウードと言ったところでしょう。(20/06/2017)


■Bois De Rose & Grazia (2015年)

ローズウッドと優雅(Grace)をタイトルとした香り。

トップ:サンバックジャスミン
ミドル:ヴァージニアンシダーウッド、ローズアブソリュート、ジャスミンアブソリュート
ベース:インディアンサンダルウッド、アンバー、ムスク

サンバックジャスミンで始まると期待をしていたら、とても美しいローズが香り、トップにローズがあるEbano & Forzaと間違えたのかと思ったほどでした。ほど良い酸味のあるローズがふわりと豪華に香り、そこからゆっくりと柔らかで手触りの良いウッディノートへと変化していきます。精油よりも木目の細かいムスクのような肌にぴったり張り付いて香るウッディムスクが香り続けるのですが、トップのローズはどこへやら、メインはすっかりウッディムスクです。でもタイトルのようなローズウッドは香りません。(19/06/2017)


■Palissandro & Nobilta (2015年)

ローズウッドと高貴さをテーマとした香り。

トップ:ミント、ライム、レモン、ベルガモット
ミドル:ティアラフラワー、イランイラン
ベース:ベチバー、サンダルウッド、アンブロキサン

ローズウッドはどこへやら、香りはクリームメロンソーダにミントを入れた香りで始まります。メロンだけではなく、ミントがあるのがユニークなのですが、そこは持続をせず、メロンのケミカルさ、アクアティックさを残したままウッディムスクへと変化していきます。ティアラフラワーやイランイランの香りはそれらしさを楽しむほどのものではなく、飽くまでもメロンソーダの延長であり、クリーミーなウッディノートへと変化して落ち着きます。(19/06/2017)