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Sampleレヴュー

 

 

■Zeybek (2018年)

ギリシア語ではZeibekiko / Ζε?μπ?κικοと表記されるエーゲ海地域の民族舞踊ゼイベキがタイトルとなりました。もともとはオスマン帝国時代に支配下にあったウズベキスタン人がエーゲ海側に定住し、広まった踊りで、ダンサーは男性。勇気や自信を鳥や動物、戦いなどのポーズにして踊るというものだそう。正式には民族衣装で踊られるものだと思いますが、結婚式などでは正装で下記の映像のように優雅に踊られます。

 

 

 

ベルガモット、ヘイ、ラベンダー、レザー、レモン、ムスク、ナルシス、タバコ、トンカビーン、ベチバー

ラインの中では一番個性的な香りです。それは、病院のイメージが強いクレゾール香がタバコやラベンダーと共に香るから。スモーキーなタバコっぽいニュアンスがあるのに、ナルシスを合わせたのはナルシスアブソリュートがタバコっぽい雰囲気を持っているからなのかもしれませんが、アブソリュート感は感じられず、クレゾールだけが浮いて香るのです。それでも、その部分が悪臭ではなくアクセントとなってユニークに香るのですから、絶妙なバランスだと思います。香りはそこから次第にナルシスとアニマリックなハニームスクへと変化し、セクシーな残り香となります。テーマは男性の踊りですが、香り自体はユニセックスで楽しめますよ。(16/11/2018)


■Battaniye (2016年)

トルコ語でブランケット、つまり毛布を意味する言葉。だから、香りは自然と心地良さ、快適さ、安らぎをイメージしたものに。

アンバー、ハニーサックル、ベチバー、ラブダナム、ムスク、パチョリ、土、煤、ウール

ブランケットというと、現実的には洗剤の香りになるのでしょうが、干したばかりの布団の温かな香りだったり、犬たちが離さない自分の香りが染みたりだったりするものなのかもしれません。これは、ラブダナムとパチョリをムスクで柔らかくまとめたオリエンタルムスクが軸にあり、アーシーなウッディノートにアンバーノートを重ね、好きな人にはたまらない「離せなくなる毛布」のような香りに。美しい香りではないかもしれません。でも、他人には理解できないものがその人には美しかったの大切だったりするんですよね。そんなことが頭の中をぐるぐるした香りです。(16/11/2018)


■Eau Mer (2015年)

トルコのイズミールから眺めるエーゲ海は、混沌としたイスタンブールとはまた一味違った美しさです。彼はベチバーとアニスで海を、それ以外の香りで風を表現したそう。これが、彼にとって海の香りだよ、と。

アンバーグリス、アニス、ベルガモット、ベチバー、ハーブ、ジャスミン、ラベンダー、ライム、マスティック、ムスク

海を見た100名の人たちが、同じ印象を受けることはまずないわけで、捉え方は人それぞれだと思いますが、この香りからテーマが海だと想像できる人はほとんどいないのではないでしょうか。香りはElizabeth ArdenのGreen Teaを彷彿とさせるシトラスアロマティックで始まり、ハーブとムスクがアロマティックなハーモニーとなって薄れていきます。ジャスミンもラベンダーも強くはありませんがトップのシトラスはとても豊かですし、残る香りもアロマティックなオーデコロン風で、とても使いやすいユニセックスな香りです。(16/11/2018)


■Odoon (2015年)

トルコ語で樹木を意味する言葉だそう。樹木の歌を最初から最後まで、灰になるまで組み込んだ香り。

アッシュ、シダーウッド、ガイヤックウッド、ムスク、オーク、ペッパー、パイン、レジン、サンダルウッド、バニラ

肌に乗せた瞬間、焦げたような削りたて感のあるウッディノートが立ち上りました。チェーンソーで樹木を切った時、擦れて熱を持った切り口からこぼれてくるような印象。その少しスモーキーなパンチのある香りは一瞬で煙のような消え、少しドライにも感じられる鼻に抜ける爽快なウッディへと変化していくのです。この爽快感はミントではなくカンファーやボルネオールのよう。ヒノキ系の鼻に抜ける成分と、ウッディノートがムスクに交じり、肌の上でフレッシュなスモーキーウッディという不思議な形で消えていきます。今までにないタイプの香りで、シンプルなウッディノートの香りがお好きな方に良さそうです。(15/11/2018)


■Ruh (2015年)

Ruhが意味しているのはSpirit、つまり精神のこと。それをオリエンタルの再構築というテーマで仕上げた香り。彼の視点でのイスタンブールらしさ、それはこうしたオリエンタルなのだということなのでしょう。

アンバー、ローズ、コーヒー、カルダモン、サフラン、ジャスミン、ウード、ムスク、サンダルウッド

プッシュした瞬間、パッと散ったカルダモンコーヒーとオリエンタルノート。そうか、オリエンタルがテーマだったよね、と思い出した瞬間、中からフローラルノートが現れたのです。それは、あれ? これはアブソリュートなのでは・・・と思わせる芳醇な香りで、時間と共にフローラルノートは薄れてウッディオリエンタルへと変化し、最後にまたフローラルノートが出てきます。残り香の中のフローラル感はとてもリッチで、アブソリュートが沈んでいる感じです。合成香料を合わせていたら、もっとリフトアップしていただろうに。スパイス類、特に微かにクミンが効いていたり、フローラルがリッチだと楽しいのですが、少し大人しい感じのコーヒーオリエンタルですね。(15/11/2018)

 

 

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