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Sampleレヴュー

 

 

■Ventunora (2016年)

Voiraが冬の風だったのに対し、こちらは夏の風。仕事終わりの鐘が鳴り、小さな町が活気にあふれだす。水汲みに出かける少女の足取りはまるで、ファッションショーのモデルのようで、国道はキャットウォークのようなものだった。

 

 

トップ:オレンジ、ベルガモット、スターアニス、カルダモン、ミント、カモミール、コリアンダー、ブラックペッパー、ピーチ、サフラン
ミドル:ローズ、ヴァイオレット、マグノリア、ゼラニウム、フリージア、ジャスミン、ヘリオトロープ、アイリス
ベース:ハニー、ベンゾイン、バニラ、オークモス、サンダルウッド、ベチバー、シダーウッド、パチョリ、アンバーグリス、ホワイトムスク

あぁ、なるほどね、と香った瞬間に感じたのは、最初の香りがあまりにも売れ筋を意識していないものだったから。二つ目の香りは少女の可愛らしい部分をフルーツで感じさせながら、ハーブが素朴さを添え、時間と共に成長していくように変化していきます。アップルやピーチの可愛らしさにミントとローズがアクセントとなり、フルーティーフローラルウッディとなって落ち着きます。最後、肌に残りウッディノートは渋めで大人っぽいニュアンスが感じられ、最後はユニセックスとなって終わります。可愛らしいまま終わるのも良いのですが、素朴さが感じられるのもまた楽しいのではないでしょうか。(02/11/2018)


■Voira (2015年)

ヴォイラというのは、地元の言葉で風のこと。名刺代わりの香りには、サンテレーニャの風を感じて欲しい、という思いが込められているわけです。その風に背中を押され、若者たちはこの町からローマへと旅に出た、と。

 

 

トップ:セージ、タイム、マートル
ミドル:エニシダ、フィグリーフ、ヴェジタルモス
ベース:オーク、砥石の香り

森の中ではない、でも草原でもない。古い家屋の中にある、少し湿気たオリエンタルウッディに、グリーンやハーブが溶け込んでいる、そんな様子が浮かんできました。確かに、じっくりと香っているとメタリックな要素が最後に感じられますので、砥石の火花をそうした香りで印象付けているのでしょう。初めての香りにしては売れることに無頓着で、観光客たちがお土産として買うような香りにはなっていないところにとても好感が持て、その町の空気を持ち帰りたいという人たちが手にするであろう香りとなっています。フルーティーではなく、シプレでもなく、とても穏やかなアロマティックウッディで、リアルに植物を潰したような、大地を踏みしめた香りからやがて、クラシカルなレザートーンを残して消えていきます。ベースにはRobert PiguetのBanditなどに通じるクラシカルなレザーが使われていたんですね。(02/11/2018)

 

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