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Sampleレヴュー

■Taklamakan (2016年)

中国のタクラマカン砂漠をタイトルとした香り。そこは、花が咲いても完全に枯れていく場所。砂漠の砂と肌を合わせた香り。この香りをレヴューするまで、タクラマカン砂漠についてぼんやりとした知識しかありませんでした。もともとウイグル語で死の世界という意味のまさに死の砂漠なんですね。

トップ:ベルガモット、ローズ、チャイニーズシダーウッド
ミドル:サンダルウッド、アイリス、パチョリ、ガイヤックウッド、ケード
ベース:ベンゾイン、ブラックバニラ、シスタス、ムスク

展示会で香っていた時の印象では、樹脂系のスイートオリエンタルだったのですが、肌の上ではシスタスがスパイスのようなアクセントとなって香ります。ムエットの時の印象よりも肌の上の方が複雑で、ローズやケードのスモーキーさはわからないものの、少しリキュールのような印象を与えていて、セクシーなオリエンタルとなって落ち着きます。ウッディノートも強すぎず滑らかで、シスタスは存在感を露わにしているもののすっかり溶け込んでいて浮いた感じはしません。少し個性的なオリエンタルがお好きな方にぴったりだと思います。(12/07/2019)


■Manteuse (2018年)

僕のハートを盗む、少し危険で魅惑的な女性。カマキリのフランス語Manteを、うそつきな女性を意味するMenteuseに合わせて遊んだタイトルに。

 

 

トップ:ホワイトフローラルアコード、ハニー、ベルガモット
ミドル:レザー、サンダルウッド、アイリス、シスタス、スモーキーバニラ
ベース:スティラックス、パチョリ、ムスク、アニマルノート

なんて懐かしい・・・と一時期大ヒットをしていた瓜系のホワイトフローラルから始まりました。でも、今はもうなかなかないよね、というトップに入り込んできたのはレザーだったのです。こんな軽やかな香りがレザーに重なっていくの? と不思議になるほど鮮やかな変化で、香りはキュウリっぽい残り香を引きずりながらウッディレザームスクへと変化して落ち着きます。アイリスやシスタス、ハニーは強くはなく、シャングラライドというムスクが微かなアニマリックさを感じさせています。カマキリはメスがオスを食べてしまうことで有名ですが、彼はフェミニンな香りの中にマスキュリンな要素を入れることでそれを表現したんですね。瑞々しいレザームスクって初めての体験だったかもしれません。(07/12/2018)


■Une Nuit a Doha (2014年)

カタールの首都ドーハをテーマとした香り。もともと発展前の村に大きな木があったことから、アラビア語で大木を意味するダーハと名づけられたのだそう。なかなか興味がないと中東の地図を眺め、国の位置を確認することはないと思うのですが、近年の航空事情により、ドーハ経由で海外に行かれる方も多いはず。

 

 

トップ:フェンネル、タンジェリン、ジンジャー
ミドル:イモーテル、タバコ
ベース:ベチバー、バニラ

夏の夜をテーマとした香りは、グルマンにも思えるオリエンタルな香りでした。寒さや冷たさはアクアノートやオゾンノート、アルデヒドなどで表現をしていきますが、暑さはやはりむわっと香る甘さの方が合っているようにも感じますよね。バニラにはトロピカルな南国のイメージもありますし。このドーハの香りは甘く苦いイモーテルをアニス調の甘さとバニラでアレンジし、渋めなタバコを重ねた、ビターなカラメル香となっています。トップではシトラスやジンジャーよりもミルクのようなラクトニック香が香り、そこから美味しくはないグルマンテイストへと変化していきます。とてもユニークな香りで、黒色の肌にとても合いそうです。どの成分がそう感じさせるのかわからないのですが、時折ふとしょう油っぽく感じる瞬間があります。しょう油にはマルトールを含めとても多くの芳香成分があることが分かっているのですが、マルトールなのかな。(03/08/2015)

 

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