強い部分と、センシュアルな部分の2面性を表した香り。柔らかい甘さと上品なフローラルという感じで、どちらかというと、センシュアルな部分のみに感じますが、バニラシードがトップから出ているので、涼しくなってからはいい感じに使える香りなのではないでしょうか。甘すぎず、でもしっかりと香るフェミニンな香りをお探しの方にはぴったりかも。サンローランのシネマとか同じような系統かもしれません。

(07/07/2006)

2001年発売の最初の香り。10年を経て再販となりましたが、調香は全く違い、ブランド名を冠したタイトルだけが引き継がれました。

指の腹で押したようなくぼみデザインのボトルはVictria's SecretのBodyそっくりで、そちらの再レヴューに際して思い出しての再レヴューなのですが、Bodyは2002年に対し、こちらは2001年。やはり年代も近く、当時の流れを感じます。ただ、違うのはこちらの調香がMaurice Roucelだったということ。

あぁ、これはアーモンドのフレグランスだったのですね。今でこそRoom 1015のCherry PunkやTom Fordがチェリー系のフレグランスをリリースしてヒットしていますが、チェリーの香りの核はアーモンド。こちらはフルーティーではないチェリーということで、アーモンドのスイートフローラルが軸となって広がります。ヘリオトロープはアーモンドと相性の良い杏仁系ですので、そちらをバニラとスズランやジャスミンのホワイトフローラルと重ね、ふんわりとしたスイートフローラルとしてまとめられています。Bodyは時代を感じる瓜系のフレッシュさが特徴でしたが、こちらは当時の流行の香りではなくフェミニンな女性肌を表現したような印象で、とてもシンプルな構成ですが、流行していない分、古さは感じられません。

上記でYSLのCinemaについて触れているのは、Cinemaがアニス調のスイートフローラルだったからでしょう。そうですね、全体的なトーンは似ています。ちなみに、Cinemaは2004年の発売ですので、スイートフローラルも好まれていたわけです。

(26/12/2023)