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Sampleレヴュー

 

■Guiding Water (2015年)

水の陰は、花弁を濡らす雨。

トップ:スイカ、アクアノート、オゾンノート
ミドル:ロータスフラワー、ジャスミン、シクラメン
ベース:リリー、ピンクペッパー、ホワイトムスク

陽の方が透明感のある水だったのに対し、こちらはきちんとフローラル感のある水になっています。調香通りの香りで、トップではスイカが、そこからはロータスフラワー、シクラメンなどのフローラルが瑞々しく香るのです。共にユニセックスではあるけれど、陽がメンズ、陰がレディースという雰囲気に。誰もが一度は使ったことがありそうなホワイトフローラルムスクとなって落ち着きますので、とても初心者に優しい香り。(18/07/2018)


■Sacred Water (2015年)

水の陽は、豊かなミネラルを有した広い海。

トップ:ペパーミント、ヨウ素、アルデヒド
ミドル:海藻、マリンノート
ベース:シダーウッド、アンバーグリス、オゾンアコード

フレッシュなマリン系の香りなのに、何故かとても清々しくて使いやすさを感じるのは、ペパーミントがトップでアロマティックに香るから。昔のようなパワフルに香り続けるタイプのマリンノートではなく、トップではアルデヒドがキラキラと香り、そのまま最後まで清々しさをつなげていきます。テーマがテーマなだけに深みはないのですが、あっさりと使えるこうした香りも10種の中ならバリエーションとしてあって良いのかな、と思えるところ。(18/07/2018)


■Hypnotizing Fire (2015年)

火の陰は、優しく揺れるキャンドルの灯り。

トップ:ペッパーツリー、オールスパイス、クローヴ
ミドル:ローズ、パチョリ、プラリネ
ベース:バニラ、ベンゾイン、オポポナックス

ローズらしさはほとんど感じられず、香りの印象としてはクローヴとアンバーがメインです。シトラスがあればシトラスポマンダーになりますし、ローズが強ければローズアンバーになっていたはずの香りですので、これをベースとして手持ちのシングルノートを重ねても楽しめそうです。典型的なアンバーではありますが、パウダリーさがほとんどなく、バニラだけではなく少しハニーノートも感じられますので、どちかトロリとしたテクスチャーをイメージするようなアンバーと言えそうです。(18/07/2018)


■Velvet Fire (2015年)

火の陽は、真夏太陽のような情熱の炎。

トップ:ラベンダー、クラリセージ、コリアンダー
ミドル:サフラン、タバコ、サイプレス
ベース:ウード、ホワイトムスク、トンカビーン

とてもアロマティックなハーブたちがいるはずなのに、どれ1つとして目立つことなく、大量のムスクに溶け込んでいます。ラベンダーだったよね、クラリセージだったんだよね・・・という仄かな残り香が肌に残り、サフランやたタバコ、ウードもほとんどわかりません。あれ? これ本当に合ってる? と思うほど情熱の炎のイメージと遠く、軽やかなランドリームスクがアロマティックな残り香をけん引しているのですが、そうか。炎天下の太陽の元で干してある洗濯ものならこの香りがするかもしれません。(18/07/2018)


■Magnetic Wood (2015年)

木の陰(イン)は、足元に花々を咲かせる自然の力。

トップ:グリーンマンダリン、ベルガモット、オスマンサス
ミドル:ミモザ、ラッパ水仙、アイリス
ベース:シダーウッド、サンダルウッド、ガイヤックウッド

オスマンサスとガイヤックウッドがある時点で、爽やかではなく少しセクシー系になっているのかな、と想像して香ると、なんとキュウリが飛び出してきました。そう、ミモザの香りにはキュウリっぽいニュアンスが隠れています。そこが飛び出して香ったのです。大量のキュウリに驚かされた後、香りは透明感のある瓜系フローラルへと変わり、最後は軽やかなウッディベースとなって消えていきます。なんだか全体的に、昔のジョーマローンにあったようなシンプルさを感じるフレッシュスイートフローラルといったところ。(18/07/2018)


■Golden Wood (2015年)

木の陽は、力強く大きな樹木。

トップ:マンダリン、大麦、エレミ
ミドル:カブリューバ、ビーワックス、オーク
ベース:トンカビーン、バーチウッド、アンバー

あれあれ、なんだかこれはとても個性的だぞ、と感じたのは、少しスモーキーなウッディノートにハニーノートが重なって香り出したから。トップでガイヤックウッド風の香ばしい香りがするのですが、それがひょっとしたら大麦のイメージだったのかもしれません。ウッディノートと言えばウッディノートなのですが精油感はなく、もっと繊細なウッディノートとなっています。ミドル以降は肌馴染みの良いウッディムスクになりますので、トップの個性に一瞬驚かされても最後まで是非お試しを。(17/07/2018)

 

 




■Metal Flower (2015年)

金の陰は、太陽光が反射するメタリックなローズ。

トップ:ローズオキサイド、アルデヒド、オレンジブロッサム
ミドル:ローズドゥメイ、ローズ、イランイラン
ベース:パチョリ、ホワイトムスク

とても逃げ足の速いメタリックなローズです。透明感のあるトップを過ぎると薄いローズ風の香りがムスクと共に肌に残るのですが、基本的にどうやらフレッシュノートが多用されているようで、全体的に香りが薄いのです。その上、メタリックな部分も強くはなく、瞬間で消えてしまうため、全体的なイメージがぼやけてしまい、なんとなくフレッシュなローズ風ムスク、というぼんやりとした香りに。でも、こうした主張のなさが日本人には好まれそう。(17/07/2018)


■Matrix Metal (2015年)

金の陽は、艶消しの金属。

トップ:メタリックノート、パイン、サフラン
ミドル:ジュニパー、スクラレン、アルデヒド
ベース:ミルラ、ベチバー、アンバーノート

ムエットで香った際、1つだけ抜群に好みの香りがありました。それがこちら。調香にはないのですが、香りの印象としてはフランキンセンスとアルデヒドのコンビで、サフランやジュニパーなどがフランキンセンス風のニュアンスを出しているのでしょう、とてもナチュラルでクールです。時間と共にミルラの欠片やサフランが感じられるようになり、ペタリと肌に貼りついたまま薄れていきます。フランキンセンスではなくとも、フランキンセンス好きな方ならばテッパンの香りだと思います。ただ少し持続は短いですが。(17/07/2018)


■Royal Earth (2015年)

土の陰は、神秘的な大地。

トップ:キャロットシード、アンジェリカシード、アンブレットシード
ミドル:ネロリ、アイリス、ヘリオトロープ
ベース:トンカビーン、サンダルウッド、ベチバー

調香からそのまま想像することのできる香り。キャロットシード、アイリス、ムスク、トンカビーンを軸に、アイリスをスイートパウダリーに仕立てた香りで、トップからミドルはアイリスが美しく香ります。パウダリーノートが一段落したところで香りは薄っすらとしたムスクに包まれ始め、主張の少ないサンダルウッドのベースの中に溶け込んでいくのです。アイリス好きなら間違いがない、そんな香り。クセが強くはありませんので、どんな場面にも合いそうです。でも、これは黒いボトルよりも白いボトルの方が合いそう。(17/07/2018)


■Desired Earth (2015年)

土の陽は、多くの人を魅了する眺望の山頂。

トップ:ヴァイオレットリーフ、アンブレットシード、シソ
ミドル:イモーテル、シングルモルトアコード
ベース:トルーバルサム、パチョリ、ケード

パッと麦茶とパチョリが弾けました。そうか、それがシングルモルトアコードだったのか、と後になってわかりました。例えのしづらい香りで、ベースにはパチョリを含んだオリエンタルノートがあるのですが、オリエンタルではなくフレッシュな要素が結構多くあるんですよ。でもそれは霧が晴れていくように薄れていき、オリエンタルベースが肌に残るのです。つけた瞬間は香ばしい麦茶の香りがあり、そこからキュウリのような青さを感じつつオリエンタルへ変わっていくという、とてもユニークなコンポジション。(17/07/2018)

 

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