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Sampleレヴュー

■Afrodite (2018年)

言わずと知れた、愛と美と性を司るギリシア神話の女神、アフロディーテがタイトルに。

 

 

トップ:ピンクペッパー、ライラック、バニラ、ホワイトピーチ、ホワイトカラント
ミドル:ネロリ、チュベローズ、アイリス、ゼラニウム、スズラン、フェロモン
ベース:アンバーグリス、ホワイトムスク、パチョリ、サンダルウッド、エボニーウッド、フェロモン

随分フェミニンで可愛らしい香りに仕立てたのかと思いきや、フレッシュでシアーなフローラルムスクでした。微かにピーチが香るフローラルなのですが、ピーチがココナッツ調の甘さではなくもっと軽やかでジューシーに香るのです。フェロモンも2種使用し、魅力的な香りという意味合いを高めています。ピーチとチュベローズはとても相性の良い組み合わせですが、そのどちらも主役ではなく、少し薬品香を伴ったホワイトフローラルがたっぷりのムスクに包まれて香ります。さっぱりとしたフェミニンさでしょうね。(05/07/2018)


■Dionisio (2018年)

ゼウスの息子、ディオニュソスをタイトルとした香り。ゼウスにはたくさんの息子がいるのですが、その中でも狂気の神と言われています。デニスという名前はこのディオニュソスから派生した名前で、世界中で様々な形で名付けられています。

トップ:アンバーグリス、ムスク、フェロモン
ミドル:アンバーグリス、バニラ、ジャスミン、スズラン
ベース:アンバーグリス、ウード、ムスク、バニラ、フェロモン

大量のアンバーグリスノートを、バニラやウードで包み込んだという、ある意味斬新な調香。近年大流行している、もう飽き飽きしてしまうほどのアンバーグリスノートをたっぷりのバニラ、そして少しアニマリックにも感じられるウードで包み込むことにより、男性らしいセクシーさを表現したのではないでしょうか。アフロディーテ同様に惹きつけるという意味でフェロモンを2種使用しています。アニマリックなバニラというのも少し珍しい気がしますが、アンバーグリスがその仲を取りまとめているような香り方をしています。(05/07/2018)


■Gumin (2016年)

2016年のAnniversary Collectionとして、少量だけ作られる限定品。タイトルはブランドの創設者であるGuglielmo(正確にはEvelino Terenziの父)をタイトルとした香りで、同時発売となったBigiaは奥様です。

トップ:パイナップル、オレンジ、ベルガモット、マンダリン
ミドル:ジャスミン、ローズ、オゾンノート、ヴァイオレット、アンバー
ベース:ウード、パーチ、サンダルウッド、ムスク

香りは一言で言い表せないほどすべてがミックスされているのですが、軸としてはアンバーウッディ系の香りがあり、そこにトップにたっぷりのシトラスが、フローラルはジャスミンがキーノートとなっています。付けた瞬間にはパイナップルのフルーティーな部分がシトラスのアクセントとなって香ったのですが、香りはすぐにローズではないフロリエンタルへと変化していきます。オゾンノートも強くないながらきちんと香りがアクセントとなっていて、オゾンというよりも少し金属的なニュアンスを感じられます。時間と共にどんどんアンバーノートが前に出てくるようになり、最後は穏やかなアンバーウッディムスクとなって消えていきます。力強くはなく、穏やか過ぎることもなく、でも個性的な部分もありユニセックスだというPaoloらしい香りですよ。特に残り香はミルキーな香りが感じられるようになり、温かく肌を包みます。(23/11/2016)


■Al Contrario (2015年)

ボトルが逆さになった形で奇妙に思えるのですが、なんとこれはキャップとボトルを逆にした50mlサイズなのです。パッケージは同じで、キャップを大きくするとでサイズを揃えるというのは今までになかった試みでとてもユニークです。タイトルも「逆さま」という意味なんですよ。

 

 

トップ:モルト、エボニーウッド、カカオ
ミドル:バニラ、オーキッド、トンカビーン
ベース:サンダルウッド、サトウキビ、ベンゾイン、ヘーゼルナッツ

キャンドルメーカーでもある彼らにとって、安心出来る場所というのは暖炉だそう。パチパチとはぜる音のする暖炉。それをキャンドルの芯にも組み込んでパチパチと音のするキャンドルを作っているわけですが、そのイメージを香りにしたようです。もともと最初のラインはそういうテーマでしたよね。でも、この香りの核はスモーキーな薪が燃える香りではなくバニラにあります。バニラしか感じないほど全てがバニラで、中からウッディノートが溢れてくるとリッチな気持ちになるのですが、そういうわけでもなく、クマリンが効いた柔らかで優し気なバニラのまま薄れていくのです。カカオはまっくた存在すら気づかずでした。50mlで100mlと同じ価格なのですから、もう少しアブソリュート感があったりしても良かったのかなぁ。(28/06/2016)


■Casanova (2014年)

18世紀の建造物では暖炉が今もまだ現役で活躍していたりする魅力的な水上都市、ヴェネツィア。タイトルのカサノヴァは有名な好色家の作家ですが、テーマとした風景は仮面舞踏会の夜。冷たい夜の空気が、サンマルコ広場を照らすかがり火で温められて身体を包む。カサノヴァになった気持ちで舞踏会に参加を・・・という疑似体験風のものなのかもしれませんね。

トップ:ベルガモット、オーキッド、ジャスミン、エデンリーフ、パウダーノート
ミドル:アンバーグリス、ピンクペッパー、バニラ、カルダモン、ガイヤックウッド、ミルラ、レザー
ベース:アンバー、ホワイトムスク、アンブロキサン、シダーウッド、オークモス、トンカビーン、ベチバー

香りは少しスパイシーなアンバーウッディノートが主体となっている感じで、とてもドライなアンバーウッディノートが肌を優しく包み込みます。特に大きな個性があるわけではないのですが、パルファム濃度ならではの柔らかさがミドル以降に感じられるようになる、というのが特徴でしょうか。調香にいろいろと記してある香料は1つ1つがあまり明確に香っているわけではなく、全体として1つのアンバーウッディムスクという雰囲気になっていますので、スモーキーさが強いとか、甘さが強いというわけではありません。一応、こちらはレディースボトルになっているのですが、香り自体はとてもユニセックスです。

 

 

こちらはChimaeraと共に1,000個限定のアニバーサリーコレクションで、価格も通常品の倍値(275ドル)となっています。香料自体にこだわると、ロットによって香りが変わってしまう・・・だから、初回生産分は製造年を入れて限定にした、ということのようです。来年は刻印が2015になって登場するのかもしれません。ボックスも豪華仕様で、なんと箱を開けると上部のライトがキャップにあしらわれたゴールドの装飾を照らすという仕組みになっています。昨年お会いした際に、もっとハイエンドな商品を作ると仰っていたのですが、この限定品のことだったんですね。(14/11/2014)


■Chimaera (2014年)

「帆船に乗ってトルコのFethie(フェトヒイェ)湾から始まる香りの旅。オリンポス山から吐き出された炎は、夏の夜の海上からでも見ることが出来る。」という架空の旅のストーリー。タイトルは、ギリシア神話の中でも有名な怪物です。ライオンの頭、ヤギの身体に毒蛇の尾をもち火を吐く怪物で、キマイラと呼ばれています。アナトリア地方(トルコのアジアの部分)で見つかった貴重なフランキンセンスを使用した香りに。

トップ:ブラックペッパー、レモン、サフラン、レッドアース、ホワイトレザー、ハイドロゲン、トルーバルサム、タイム、ベイリーフ
ミドル:アイリス、オールスパイス、レッドペッパー、カーネーション、ピオニー、ハニー、ブラックマグノリア、セージ、フランキンセンス
ベース:パチョリ、カシミアウッド、ラブダナム、ベンゾイン、カラメル、ウード、タバコ、コパイババルサム、レザー、パインウッド

Casanovaが比較的ドライだったのに対し、セクシーなハニーサフランでスタートします。全てがサフランに包まれてスエードのような滑らかなレザーっぽい雰囲気で香るのですが、皮膚の上に皮膚が形成されたかのように肌なじみが良く、香りたちが強くはありません。ゆっくりひっそりと香っている感じなのです。フランキンセンスは感じられるものの、そこまで主体となっているわけではなく、ミドル以降はサフランハニーにアンバーノートを足したようなオリエンタルな香りとなって消えていきます。こちらはメンズ仕様のボトルとなっていますが、やはりユニセックスで楽しめる香りですよ。(14/11/2014)


■Arethusa (2014年)

シチリアの自然をギリシア神話の泉の妖精に例えて表現したもの。シチリア島のシラクーサのオルティージャには彼女が姿を変えて出来たとされるアルトゥーサの泉があり、憩いの場となっています。パピルスが生えていることから、Parfumerie GeneraleのPierre guillanmeはこの泉をテーマとしたPG 24 - Papyrus de Cianeを発売しています。

トップ:オレンジ、ジンジャー、プラム、フィグ、ピンクグレープフルーツ、セージ
ミドル:レッドサンダルウッド、ジャスミン、ローズ、サフラン、グレープフルーツ、オレンジブロッサム、ポメグラネイト、ヘザー
ベース:パチョリ、ベチバー、スイートガム、レザー、アルブツス、マリンシスタス、ソルティーノート、ホワイトサンド、キョウチクトウ、エニシダ

やはり水のある風景がテーマとなっているだけあって、どこか少しアクアティックに感じるシトラスフローラルが軸となっています。フローラルノートはスズランとジャスミンを軸に組まれているようで、すっきり目なフローラルノートがいきいきと香っています。少しこのブランドのテイストとしては可愛らしさを感じるものであり、サフランやサンダルウッド、特にベースの香りたちはあまり強くはありません。それどころか、少しフルーツの酸味が感じられるほどの香りとしてまとめられているのです。純潔を守り通して泉へと姿を変えたアルトゥーサの姿をテーマとしたのであれば、ダークなエッセンスは必要ありませんよね。彼らの新たな一面を垣間見たような香りです。(13/11/2014)


■XIX March (2012年)

3/18というのはLa Focarina di S. Giuseppeという行事が行われます。冬場に使用していたものを小枝や潅木と共に燃やし、春の到来を祝うというもの。その伝統的な夜の香り。この焚き火でオカリナを創るのが伝統なのだそうです。

トップ:オレンジ、グリーンリーフ、ミント、ネトル
ミドル:ラベンダー、シナモン、クローヴ、ジャスミン
ベース:サンダルウッド、シダーウッド、ベチバー、ムスク、ナツメグ、ローズマリー

燃えるとか炎をテーマに組み込んでいるのに、とても爽快に感じるのは春の香りだからなのでしょう。ラベンダーがラベンダーらしからぬ香り方をしているのがとても面白く、アロマティックさが時間と共に柔らかさを増していきます。ラベンダーというのは高濃度にしてもさほど持続をしない成分ですから、香りの中でも消えていくのが早く、早々にラベンダーの中でも残りやすい成分だけを残して消えていくのですが、その残った成分(Linalyl acetate)に軽くウッディノートが重なるようにして香るのがミドルノート。ラストノートになると調香にはないクマリン(トンカビーンの主成分)が目立つようになり、パウダリーとまではいかないものの、とても柔らかな香りとなって肌に馴染んでいきます。全体的に、トップからミドルでは清潔感を、ラストは優しさを感じられるとても優等生的な良香ですよ。(06/11/2013)

 

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