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Sampleレヴュー (Luna Collection)

■Mirach (2018年)

アンドロメダ座ベータ星を指す二等星の星がタイトルに。古いアラビア語が固有名詞となって星に付いたのです。ベルトやガードルの意味なのだそう。

 

 

トップ:ネロリ、ローズ、サフラン、ナツメグ
ミドル:ムスクローズ、ダマスクローズ、パチョリ、ホワイトウード、ダヴァナ、アンバーグリス、ワームサンド
ベース:バニラ、ベンゾイン、サンダルウッド、ウード

あれ? こんなに可愛らしかったの? と思うようなフルーティーさで始まるのですが、時間と共にどんどんオリエンタルへと変化していきます。ローズよりもパチョリよりもオリエンタルノートが強く、更には少しアニマリックなムスクが感じられるのです。最後をウード風のオリエンタルにする辺りが時流というか、時代にマッチしていますよね。ラストはふんわりとしたオリエンタルムスクで、力強く残る香りではありませんので、気軽に使えるユニセックスなテイストとなっています。(06/07/2018)


■Sirrah (2018年)

アンドロメダアルファ星を指す二等星の星がタイトルに。ベータと共に公開されました。シラーはアラビア語で臍(へそ)を意味しているのだそう。

トップ:サフラン、グリーンペッパー、マルメロ、パッションフルーツ
ミドル:オスマンサス、カルダモン、オゾンノート、ローズ、アンバー
ベース:バーチ、サンダルウッド、パチョリ、レザー、ホワイトムスク

パッションフルーツとマルメロだったんですね。トップでとてもジューシーに明るく弾けたのは。フルーツがとても印象的で、なんとなくビワを彷彿させる香りなのですが、そこにサフランやアンバーのオリエンタルが重なっていくのです。展示会で香った際、一番好印象だったのはこの香りでした。オスマンサスは通常ピーチやアプリコットと合わせて調香されるのですが、それをパッションフルーツにした変化球であり、アンバーレザーへと変化していくフルーティーフロリエンタルとなっていますので、男性でも使えるフルーティーさに。(06/07/2018)


■Adhil Assoluto (2016年)

アンドロメダ星雲の中のある星をタイルとした香り。春の展示会でTyl Assolutoと共にお披露目となった後、秋の展示会でDubhe Assolutoが公開となりました。ボトルはゴールドの装飾でとても美しく、価格も680ユーロと更にハイエンド。

 

 

トップ:カシス、グリーンノート、アニス
ミドル:ジャスミン、オゾンノート
ベース:オーストラリアンサンダルウッド、ヘリオトロープ、アミリスウッド、アンバー、バニラ、オークモス

香りは、アンドロメダというか星雲のふんわりとした漂うイメージを表現したのは、とてもグルマン寄りのスイートノートが強く前に出てきます。トップから香るのはヘリオトロープとアニスの甘さ、そしてバニラの甘さ。オゾンノートやジャスミンはあまりわからず、ウッディノートやオークモスなどの部分もスイートノートに隠れています。こうした香りの系統はアーモンドを従えムスクでまとめ、グルマン系に傾くことが多いのですが、グリーンがアクセントとなって、フローラルな甘さに感じられるのが特徴です。サハラ砂漠で香った白いキョウチクトウがまさにこういう香りでしたから。(29/11/2016)


■Tabit Attar (2016年)

Saiph Attarと共に発売となったアッターシリーズの香り。中東をターゲットとしているのか、パフュームオイルボトルとして発売され、サンプルもかなり粘度の高いトロリとしたパフュームオイルとなっています。これがとてもユニークで、サンプルチューブからスティックを引き抜くというパフュームオイルに相応しい形に。

 

 

トップ:ベルガモット、グリーンノート
ミドル:ココナッツ、ピーチ、サンドノート、フローラルノート
ベース:バニラ、ムスク、キャンディー
、ウッディノート、アンバー

香りは、キャンドルメーカーだったことを忘れるほど可愛らしいフルーティーフローラルで始まります。瑞々しい洋ナシ、グリーンアップル調のフルーティーノートにラクトニックなココナッツやピーチが重なり、とてもトロピカル。その美味しくてジューシーな香りの中にアクセントとして入っているのがウッディノートなのですが、少しアンバーウッディ系のウッディノートを利用している辺りが中東市場を意識しているからなのかもしれません。少しグルマンにも思える甘さですが、時間と共にどんどんフルーツが薄れてカカオの香ばしい部分やナッツのような部分が甘さとウッディノートの中に交じりだします。このパフュームオイルの変化はとてもゆっくりで、一日中香りを楽しめますよ。フルーティーフローラルで可愛らしく始まりますが、ベースは高濃度なアンバーグリス、アンバーウッディで終わります。13mlで650ユーロという商品ですが、恐ろしく少量で十分香りますので、100mlに匹敵すると思います。

こちらの香りは、Luna CollectionのホワイトボトルのExtrait de Parfumとしても発売されていますので、そちらの方が使いやすいのではないかと思います。(29/11/2016)

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2015年春よりスタートした月のシリーズで、ボトルはゴールドでもブラックでもなくホワイトとなりました。濃度は変わらずExtrait de Parfumで100mlの1サイズ展開で、価格は210ユーロとハイエンドに。子どもの頃の忘れてしまった感覚や気持ちを、大切なものたちを再発見しましょう、というのがテーマになっているのですが、何故それが月のシリーズなのかいまいち理解しづらいところ。Tizianaの幼少期の思い出の風景、場所、記憶を月というか惑星、星空などに置き換え、それを旅するつまり回顧する内容としたようです。1つ1つの香りに小さなパンフレットが作成されているのですが、7か国語で解説があり力の入れようが感じられます。

 



■Ursa (2015年)

タイトルは北斗七星のある大熊座のこと。北イタリアのリゾート地であるコモ湖に映る夜空の星たち、というのがテーマ。

トップ:ナツメグ、エレミ、ドライフルーツ、ラム
ミドル:パチョリ、フランキンセンス、タバコ、ベチバー
ベース:バニラ、レザー、ウード

テーマに相応しい香りなのかどうかは疑問ですが、香りは素晴らしくこのブランドらしいというかPaoloの真骨頂とでも言いたくなるようなスパイシーウッディレザリーです。トップから弾けるスパイスがくすんだタバコやベチバー、レザーに絡まって少しメンズっぽい苦みばしったレザーウッディが心地良く肌に収まります。一枚の上着のように張り付いて香るレザーがとてもステキで、高濃度ということもあって静かに香り続けるのです。ウードをメインとした香りではありませんし、夜空のようなダークさもありませんが、寒い中で暖かな香りに包まれる感覚としてはレザーが良いようにも思います。女性はかなりクールに香るのではないでしょうか。男性ならばカジュアルにもフォーマルにも合いそうです。(29/12/2015)


■Cassiopea (2015年)

マルケ州にあるモンテカトリアの麓の小さな村で過ごした幼き日の休日の記憶。ウルビーノ侯爵が有していた城がアドリア海を見下ろすサンマリノにあり、そこから見上げた夜空のカシオペア・・・というのがテーマのよう。

トップ:パッションフルーツ、レモン、ブラックカラント、ファーン
ミドル:クローヴ、スズラン、ティーローズ
ベース:サンダルウッド、トンカビーン、ムスク

なんだかとて少し懐かしく感じる少しラクトニックなフルーティーさがトップで香ります。パッションフルーツというほどの酸味はなく、ジャックフルーツ系の香りのキャンディーがあったらこういうテイストなのかも・・・と感じさせる香りです。クローヴはわからず、ファーンもティーローズもわからず、スズランが軽やかさを出している調香で、全体としてはラクトニック(クリーミー)なフルーティーフロリエンタルといったところ。クリーミーさがココナッツだけではなくミルクっぽくも感じますので、ココナッツが苦手な方でも大丈夫なのではないかと思います。ユニークの一歩手前の香りです。(29/12/2015)

 

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