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Opium / オピウム

<香 調> オリエンタルスパイシー
<仕 様> レディース
<容 量> 7.5ml、25ml
<濃 度> P、EdT

トップ
アルデヒド、タンジェリン、プラム、ペッパー、コリアンダー、レモン、ベルガモット
ミドル
クローヴ、ジャスミン、シナモン、ローズ、スズラン、イランイラン、ピーチ、ミルラ
ラスト
ベンゾイン、バニラ、パチョリ、オポポナックス、シダー、サンダルウッド、ラブダナム、カストリウム、ムスク



1977年発売。アメリカで香水と言えばゲランのシャリマーとエスティーローダーのユースデュウが人気だった頃、シャリマーを越えるオリエンタル調の香水を作ろうとして生まれた香りです。ちょうど当時のYSLのコレクションテーマが中国だったこともあり、中国と日本を旅していたサンローランは帰国後にKenzoに依頼してボトルデザインのイメージを作らせます。オリエンタルを表現するには美術工芸品が良いということで、侍が腰につける「印籠」がモチーフとなったそうです。もともと印籠には刀傷の痛みを和らげるために薬草や塩、阿片などが入っていました。

シャリマーを超えるオリエンタル調ということなのですが、成分的にオリエンタルなものは10パーセント程度して入っていないそうです。でも、雰囲気は50パーセントオリエンタルさを出すのに役立っていると。香りはトップからピリリとスパイシーなフローラルが広がり、そこから少しミルラ調のインセンスとウッディ、アンバー調の香りが広がります。ゆっくりと香っているとフローラルの要素も結構強く出ていることに気づくのですが、クローヴとジャスミン等がカーネーション風に香りますね。スパイシーなフローラルインセンスというのが全体のイメージかも。

 



時間と共にフローラルはジャスミンの残り香とイランイランとなり、そこにスパイスとインセンス系ウッディ、アンバー調のものが加わります。最後まで柔らかなオリエンタルですね。もっとどっしりと甘さが出ている雰囲気だったのですが、思ったよりもバニラは強くはなくて、ふんわりとした全体の調子を整えているバニラ加減なのがとても素敵です。今だからこういうオリエンタルな香りが他のブランドにもありますが、この香りが発売されてから80年代はフロリエンタルが花盛りとなってひとつの時代を作ったような香りです。

1つ残念なのはパルファムボトルがチープに見えてしまうということ。もともとは印籠ということで木箱にしたかったそうなのですが、当時からプラスティックだったのだそうです。パルファムなのにガラスを覆うのがプラスティックだとどうしても安く見えてしまうんですよ。もう、それだけが残念で残念で・・・。

(22/04/2008)

EdTを追加です。香りとしては全体的に同じイメージですから、購入される場合は濃度で選ばれると良いのですが、EdTの方が軽やかな分カーネーションではなくてクローヴジャスミンという香りの方が強く感じます。パチョリとクローヴの甘く重い部分を押し広げるようにジャスミン調のフローラルが香ります。精油のジャスミンではなくて単品香料ですから、フローラル感もそこまで大きくはなく、軽い香りになっています。ただ、特徴のある香りですよね、これは。この後の時代に模倣品が横行したのが頷ける香りです。今ではもっと素晴らしい香りたちがありますので、残念ながら少し時代に埋もれてしまった感じの著名香。

(05/01/2012)

 

 

 

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