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Sampleレヴュー

■La Nuit de L'Homme : Le Parfum (2010年)

L'Hommeのナイトバージョンとして発売されたLa Nuit de L'HommeのEdPバージョンとして発売されたLe Parfumというサブタイトルのもの。オリジナルのLa Nuit de L'Hommeはナイトながらフレッシュオリエンタルのようで、手がけたのはオリジナルと同じくAnne Flipo、Pierre Wargnye、 Dominique Ropionというドリームチームでした。おそらくこちらのEdPも同じでしょう。下記がLa Nuit de L'Hommeの調香なのですが、こちらにブラックペッパー、ラブダナムを加えているようです。

トップ:カルダモン、ベルガモット
ミドル:ヴァージニアシダーウッド、ラベンダー
ベース:ベチバー、クマリン

香りはラベンダーたっぷりの軽やかなフゼアで、ベルガモットとラベンダーという外れのない組み合わせにスパイスが重なってスパークするのがトップです。付けた瞬間の爽快感がかなり強く、おそらくオゾン系やアロマティックなフレッシュノート(の合成香料)をたっぷりと使用して軽さを表現しているのでしょう。調香にあるようなシダーウッドもベチバーもほとんど香らず、加えたらしいラブダナムもわかりません。全体的にこれがどうして夜なのかもイメージではないほど突き抜けた爽快感が続くのですが、そこに力強さも感じられませんし、ボトルからうけるセクシーな印象もありませんので、EdPながらたっぷりと使っても平気そうな初心者向けの香りと言えそうです。(12/03/2013)


■M7 Oud Absolu (2011年)

Tom Fordプロデュースで人気を博したM7から9年・・・。キューブタイプのボトルで廃番品が復刻された際にこっそりと追加された新作です。M7の発売時には早すぎたんですよね、ウードが。ようやくブームが巡ってきて再度注目されたわけです。

トップ:マンダリン
ミドル:ウード
ベース:パチョリ、ラブダナム、ミルラ

Jacques CavallierとAlberto Morillasによる調香はオリジナルと違い、アイリスのパウダリー感というか樹木の中のおが屑っぽい粉の香りが強くなっています。これはそういう香りの合成香料がありますので、そういった成分を強めているのではないかと思いますが、ウッディノートとしてシダーウッド調の香りも追加されているように感じます。ウードらしさを感じさせてくれるのはオリジナルの方で、こちらのM7 Oud Absoluはよりウード以外のウッディノートを強めたという印象を受けます。軽くて使いやすいウードを楽しめるのがオリジナル、落ち着いたウッディノートをゆっくりと楽しめるのがM7 Oud Absoluなのです。こちらももシダーウッド調の香りが過ぎると最後はオリジナルのようなウード香となって落ち着くのですが、オリジナルよりもアンバーノートが強くてセクシーなアンバーウッドとなっていますので、香水としては別物だと考えた方が良いでしょう。(29/03/2012)


■Paris - Jardins Romantiques (2007年)

1983年に発売された香りを軸に2002年から発売された春の限定シリーズ。2009年まで8種発売して2010年は発売されず、でした。ロマンティックガーデンということで、ボトルにはピンクのエッフェル塔と黄緑色の凱旋門にバラのイラストが描かれています。だから広告もエッフェル塔をバックになっています。シャン・ドゥ・マルス公園(Champs de Mars)をイメージしているんですね、きっと。

トップ:マンダリン
ミドル:ローズ、ライラック、ヴァイオレット、フレッシュカットグラス、スズラン
ベース:サンダルウッド、ムスク

125mlが54ユーロという安さと容量からもわかる通りにとても軽やかな香りです。もともとのパリの香りはどこへやら、この年のメインはスズランで、スズランの周りにライラックとヴァイオレットがうっすらと取りまいている・・・という雰囲気です。サンダルウッドもムスクも主張は強くなくとてもシンプルですから、サマーフレグランス的にパシャパシャと使えるさっぱり香となっています。香りが薄いというよりも儚い感じなので薄い残り香が暑さにぴったりなのではないでしょうか。3分でミドルノートになり、スズランの残り香に少しパウダリーなムスク香が重なった状態となり、最終的にはサンダルウッドが肌に残ります。タイトルのイメージからは程遠いのかもしれませんが、スズラン香の中にグリーンノートが生きていますので、ガーデンで寝そべっているその青さというのは感じられるのではないかと思います。(08/07/2010)


Elle (2007年)

Firmenich社のJacques CavallierとOlivier Crespという黄金コンビが手がけたウッディフローラルスパイシーな香り。テーマは都会暮らしの女性だそうで、フェミニンさの中に少し男性的な要素を入れたそうです。これからのサンローランを位置づける香りになるのだと当時のプレスリリースにはあったのですが、少女っぽさからの脱却を図ったというわけではないようです。

トップ:セドラ、ライチ、ピオニー
ミドル:サンバックジャスミン、ピンクベリー
ベース:パチョリ、ベチバー

付けた瞬間から花開くのは可愛らしいライチの香り。ライチ系のシアーフローラルという分かりやすくて可愛らしい2000年以降の王道品です。もう少しベースノートが主張してくれていたら「脱却」というニュアンスが感じられたのでしょうけど、やはり少女のままだったという香りですね。ベビードールで捕まえた顧客はすでに成長して別の製品を使っています。彼女たちを呼び戻すというものではなくて、飽くまでもベビードールを愛していた若い世代に再度ターゲットを絞った、という香りのように感じられます。ただ、通常だとムスクベースで石鹸香になるものが多いのですが、これは微かにパチョリが顔を覗かせます。ほんの少しだけのささやかな主張。でも、パチョリをガツンと利かせたヴィヴィアンウエストウッドを超えるインパクトはありません。(16/03/2010)

 

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