*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

■Stephane Humbert-Lucas 777

3/12よりproficeのトップを飾ることとなりましたStephane Humbert-Lucas 777というのが今回ご紹介するブランドです。Nez A Nezを立ち上げ、その後Hype noseというキャンドルブランドを、さらにSoOudというハイエンドなフレグランスも手がけた多産な彼が今年遂に始動させたのが彼の名を冠したブランドなのです。年始よりプランタンパリにてブース出店しているそうで、今はそこでのみ販売されている商品なのですが、Esxence 2013でお披露目されることで今年はあっという間に世界展開されそうですよ。すでにイギリスのHarrodsやアメリカの大手百貨店もいくつか決定しているそうですし、中東はクウェートでも発売されるとのこと。

今回、久しぶりに彼から連絡があり、ブランドがスタートしたことを知ったわけですが、このブランドを手がけるのに3年かかったそうです。それはそうですよ。彼は他の自身のブランドを手がける傍ら、調香をし、絵を描く上にボトルデザインもするという生活をしているのですから。このブランドのロゴは女性の帽子の羽飾りをイメージしており、7とVが重なり、中央の羽と共に7となっています。彼の名前のStepの部分を入れ替えるとSept(フランス語で7の意味)となります。彼にとって7というのは特別に数字なのでしょう。キャップにはこっそりと2ヶ所、777の文字が隠してあるんですよ♪

ボトルはハニカム(蜂の巣)模様のメタルで、ボトルはとても美しく重厚です。価格もハイエンドなのですが、高級感はばっちり。少しボトルは男性的ではありますが、これが1番今の彼が表現したい形なんですよね。日本の皆さんに1番紹介したい香りはどれ? と伺ったところ、Black Gemstoneを選んでくれました。彼がこのボトルに閉じ込めたのは香りの宝石。高級な香料たちをボトルに閉じ込め、香りのジュエリーにしたかったのだそうです。Black Gemstoneはオフィスにございますので、セミナー等でお越しの際には是非、香ってみて下さいね。

 

本当は、このウェブマガに合わせて彼の単独インタヴューを掲載予定だったのですが、ちょうど今イタリアはミラノで開催されていますEsxenceに出展しており、3月は激務多忙ということで間に合わず・・・となってしまいました。また別の機会に公開しますね。


■J.F. Schwarzlose Berlin

ドイツ語でヨット・エフ・シュヴァルツローゼと読むこのブランドは、1856年、ピアニストだったJoachim Friedrich Schwarzloseが創設した老舗パフューマリーでした。ピアニストだった彼は子どもたち(息子のマックスとフランツ)のためにドラッグストアをオープンしたのですが、1870年には息子たちがそのドラッグストアを閉店し、自身たちの手で香水作りを始めたのです。彼らの作り出す香水は瞬く間に人気を得、特に上流階級に受け入れられたそうです。2つの大戦の間も経営を続け、中国まで人気は広がっていたのだとか。残念なことに1976年に廃業となってしまっていたのですが、2011年に復刻となりました。それらを立ち上げたのはボトルデザイナーのLutz Herrmannです。彼がヴィンテージのJ.F. Schwarzloseのボトルを発見したことがきっかけで、復刻を決定し、IFF社の調香師Veronique Nyberg、マーケティングと流通に関しては若手のTamas Tagschererを迎えて3名でブランドを再始動することとなりました。

今回、マーケティング担当のTamas Tagschererと連絡を取り合い、レヴュー用にサンプルを頂くことが出来ました。現在の香りは4種。

1A - 33 (タイトルは古い車のナンバープレート)
Treffpunkt 8 Uhr (午後8時のランデブー)
Trance (トランス)
Rausch (ラッシュ〜禁酒法時代のナイトクラブ)

 

1A - 33はとっても美しいサンバックジャスミンが香り、Treffpunkt 8 Uhrは個性的なフルーティーアロマティックな香りが楽しめ、Tranceはパウダリーなローズが美しく、Rauschはトップで香るアニマルノートに驚かされます。(その後ウードを経てオリエンタルノートに)

彼らの凄いところは、きちんとヴィンテージを集めて保存して公開しているところにあります。それはディスプレイに使用されたり、カタログに記載されたり。上記のように昔のポスターやカタログだって発見されて保管されているんですよ。これはブランドが復刻としたことで、大切に守られるようになったという良い動きです。また、彼らはLMRという南仏の香料会社の香料を使用しています。正式名はLaboratoire Monique Remyで、これはMonique Remyという女性が84年に立ち上げた香料会社です。80年代半ばは日本のバブル期。香料も品質よりも量と価格を重視していた時代です。品質低下を嘆いた彼女がグラースといういわば聖地で高品質なものを・・・と立ち上げたこの会社は後にIFF社に買収されます。それは乗っ取りという買収ではなく、リタイア後に精神を受け継いでくれる企業としてIFF社に任せた、そう売却です。今も良質な香料を生み出しているLMRですが、彼らは香料の中でLMRのものをきちんと明記し区別して記載してくれています。特にTranceのローズの美しさったら、香料ありき、ですよ。

Tamas Tagscherer氏から直接商品を購入出来るそうですので、レヴューの際には購入についても記載をしていきたいと思います。(現在、ドイツのFirst in Fragranceで発売をしていますが、彼らはFirst in Fragranceと取引しておらず、何故彼らが商品を持っているのか不思議でたまらないと言っていますので、First in Fragranceの彼らの商品にはご注意を)

(22/03/2013)

 

<profice fragrance magazine Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜