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ミャンマーに続く、アジアの一人旅
〜 発展を続ける国、若者の国カンボジア 〜

 

観光資源だけではない、街のつくり。

アンコールワットがあることで有名なシェムリアップですが、アジアの中でも特にヨーロッパ、アメリカからの観光客が多いのが印象的でした。どこもかしこも欧米人。彼らは、リゾート地に旅行し、午後はプールサイドで寝そべってゆっくりとした時間を過ごし、夜はクラブやバーで酒を飲む、というのが定番のスタイルです。そういった欧米人向けに作られたリゾート風のホテルがシェムリアップには多く、5つ星でも1泊1万円以下で宿泊が出来るのですから、駆け足で駆け抜けてしまってはもったいない街だというのが印象でした。(宿泊したホテルは4つ星で1泊6,000円程度でした)

 

 

初日のトゥクトゥク勧誘をきっぱりと断り、ホテル手配でお願いをした2日目の観光。アンコールワットというか、遺跡群はとにかく広大な敷地の中にあり、レンタサイクルでは1日かかるような広さです。トゥクトゥクを利用しての観光が一番風や雰囲気を感じられ、もちろん風に乗って香る花の香りも楽しめるのがおススメです。広大なアンコールワット遺跡群を効率良く観光するには、大回りと小回りというルートがあります。観光客用に予め見どころをつなげてコースにしているので、それが一番楽なわけです。大回りと小回りを2日かけて回ったのですが、価格は1日(半日)で15ドルと格安なのも人気1つ。トゥクトゥクドライバーは遺跡の入り口で顧客をおろし、駐車場で待っていてくれます。でも、観光客で溢れるエリアはとにかくトゥクトゥクの数も多く、自分の乗ってきたトゥクトゥクを探すだけで一苦労。だってドライバーの顔なんて、初日では覚えられません。ということで、撮影をしておきました。僕のトゥクトゥクには何故かIron Manのイラストが描かれていたのです。そして、結局3日間全てこのドライバーにお願いすることになりました。

 

 

森の中から突然現れる巨大に遺跡に茫然。石組みも他の国とは違うし、やはり壁画も違って見えます。でも、とにかく観光客が多い。その多い観光客の中でやはり迷惑行為が目立つのが中国人と韓国人です。中国人観光客たちはとにかく記念撮影が多く、1人1人入れ代わり立ち代わり、遺跡の前でポーズをとって撮影をしますので、前に進まない。そして撮影が出来ない。韓国人観光客はセルフィーが多く、バスでの観光というよりも少数グループが多かったのですが、中国人に負けず劣らず声が大きく騒々しい。現地の人たちも声のトーンで韓国人、中国人、日本人を見分けているそうです。(ちなみに韓国人の女性観光客の多くは、ドレスアップした姿で観光し、モデルのように撮影をするのが流行しているようで、たくさん見かけました)

 

 

一番美しいと言われるお顔を拝見するのにどれだけ待ったことか。

 

 

映画、トゥームレーダーの舞台として有名な遺跡。こうして遺跡を巨木が絡め取って浸食していきます。撮影を使用としたら人影が・・・。「あっ、ごめんなさい」と映らないように少しズレてくれたのは日本の若者たちでした。

 

 

遺跡は巨大なものから小さなものまでたくさんで、大きなものは息を切らして登り詰めなくては景色が拝めません。

 

 

アンコールワットも巨大で、ぐるりと内部を見て回るのに軽く2時間を費やしてしまいました。この遺跡は壁画がとても細かく綺麗に残っているので、ガイドに説明してもらうのが楽しいかも。いえ、1人で見ていてもなんとなくわかるのですが。

 

 

アンコールワットの遺跡には、架空の動物たちが多く描かれています。蛇のナーガもあっちこっちにありますが、ガルーダもそのうちの1つ。Jul et MadのホワイトシリーズにあるGarudaのミニボトルを持参していたため、このガルーダの前でガルーダを撮影し、Madarinaに送付。もちろん付けていた香りもガルーダです。ちょうど彼女はその時タイのリゾートにいたので、ニアミスだったんですよ。

 

 

余程の遺跡マニアでない限り、大回りと小回りを見てしまえば満足できるはず。その他の遺跡も凄いと感じるけれど、でも結局似たようなものなんですよね。そこで3日目は近郊の遺跡を見に少し遠出してみました。そこで見たのは遺跡ではなく学校。ちょうど遺跡に併設された学校が授業中だったのですが、このクラスの横にはPCルームがあり、生徒たちが1人1台のPCに向かって作業をしていました。どの国も同じなんだなぁ。

 

 

その小学校は観光客の寄付を募っていたため、記帳をして募金を入れることに。カンボジアは基本アメリカドルですが、0.5ドルのお釣りはカンボジアリエルで支払われます。4,000カンボジアリエルが1ドルに相当するのですが、1000カンボジアリエル以下の小額紙幣はなかなか使う場面がありません。中途半端な紙幣の使い道としは良いですよね、小学校への募金も。その横の寺院では、学生が静かに勉強中。何をしているの?と聞くと、開いていたノートを見せてくれました。全く読めないけれどとても綺麗な字で書かれたクメール語。そう、国語の勉強をしていたそう。

 

 

3月時点で38度にもなるシェムリアップ。(もっと高温になりますが)
遺跡回りを早朝からスタートすると、午後には終了してしまいます。もちろん午後は午後で違うところを回っても良いのですが、マーケットを散策し、プールで一休みするのもあり。宿泊したホテルは3階建てだったのですが、屋上にプールがありました。シェムリアップは景観維持のため建築物の高さ制限があるそう。屋上のプールにはバーが併設されていたのですが、バーのスタッフは階下のレストランスタッフと同じで、4日間宿泊していたらすっかり覚えられ、ビールを飲みながら雑談を楽しんだりも。

 

 

 

夜の楽しみの1つとして予約していたのがSmile of Angkorというミュージカルでした。オフィシャルサイトでの予約も可能だし、現地でもチケットが取れます。代行してくれるサイトだってたくさんあります。でも、僕が選んだのはAngkor Focusという現地の代理店でした。様々なツアーを企画しているようですが、手配したのはSmile of Angkorだけ。当日の午後、観光からホテルに戻ると、メッセージがあるとスタッフに呼ばれました。17時までに電話をしないと予約が無効になると言うのです。何のことだか全く理解できずに、でも電話で話をしてみてようやく理解できました。すっかり失念をしていたのですが、どうやら手配の際にホテルの名前を記入する欄があったようで、送迎を依頼していたのだそう。だからリコンファーム(予約確認)が必要だったんですね。始まるには早いなぁ・・・という時間でしたが、10分遅れるとわざわざ電話をしてきた辺り、信用しても良さそうです。てっきり、数ヶ所のホテルを回ってお客をピックアップして会場に向かうのだとばかり思っていたら、なんとも豪華で綺麗な大型車が到着したではないですか。びっくりですよ。こんな車、日本だって高級だよ・・・と、送迎費はいったいいくらになるんだか・・・と心配になるほど。

その豪華な送迎車の助手席(右側に)に座り、話をしてみると、とても早口だけどしっかりとした英語を話す若者(ケオ君)でした。タクシーをはじめ車で助手席に座るともれなく会話が始まります。トゥクトゥクやバイクタクシーでは会話が出来ないことを考えると、やはり必要な分、英語力のある人たちが多い気がします。若者の安全運転で無事に会場に到着したわけですが、着いてびっくり。大型バスの数が半端ない!!! しかも全員中国人団体観光客!!!

そう、このSmile of Angkorは中国資本なのです。オリンピックを手掛けた演出家によるものだというので、壮大なものを期待していたわけですが、入る前から気がなえてしまいました。ロビーは大騒音に包まれ、休憩用の椅子やテーブルは好き勝手な移動しっぱなしで、ゴミが床に捨てられている・・・。数ドルの追加でブッフェも利用が可能だったのですが、利用なしにして大正解でしたよ。皿を奪い合う中国人たちに分け入って食べたくはないですから。

どうなることやら・・・と不安を感じつつ、中に入るとやはり問題が待ち受けていました。団体旅行客の中国人たちが続々と遅れて入場しつづけるため、ステージに集中が出来ないのです。撮影は禁止だと散々プラカードを掲げてスタッフが注意をして回るのですが、中国人たちは全く意に介せず。僕の隣には韓国人カップルが座っていたのですが、彼らは注意をいくらされても盗みみて撮影をつづけるばかりか、延々と話をしているんですよ、横で。集中できず怒りも心頭し、胸ぐらつかんで注意してしまったほど。

内容としては、アンコールワットの創世記を、神々と悪との対峙を含めてストーリー仕立てにしたもので、出演者が多い分見栄えは良かったです。でもやはりそこは中国演出。え?と思うような場所で雑技団が登場していたり、映像演出がお粗末すぎてびっくりだったりしましたが、最後にステージを包む噴水ショーになった時はおぉ!!と声を漏らしてしまったほど。ステージが水浸しって凄いことですよ。

 

 

最後に撮影が可能となるのですが、これわかりますか?カーテンコールの場面なんですよ。全員が一列に並んで最後の演出を・・・と、その時に最前列が全員退場を始めたのです。まだ終わってないよ!!! 可哀想過ぎる、演者たちが。途中入場が延々続いたばかりか、フラッシュに意識を取られ、最後は終わる前にどんどん退場してしまう。

画像の様子は、最後のお見送りの図で、演者たちが手を振っているのですが、その頃にはほとんど観客はいませんでした。なんてこった。

ステージの内容よりも、マナーの悪さに辟易してしまったのですが、1,000名近い中国人たち(欧米観客は2組だけ)の退場ラッシュに負けてはいけない!! と、意を決して列に並んでロビーに出てみたら、なんとごった返す出口のすぐそこで、送迎してくれたケオ君が手を振ってくれているではないですか!! この時ほど安心したことはなかったかも。すぐに彼は観光客のいない裏側の駐車場に連れて行ってくれ、快適な車に乗り込んだのです。帰り道にはショーのことなどいろいろ話したのですが、彼は大卒のインテリで、今の会社ではカスタマーサービスを担当しているそう。・・・サービス? え? ひょっとして・・・

無料?

そう。オフィシャルサイトから予約するよりも安くチケットが手配出来た上に、ステキな車での送迎が無料だったんです。なんだなんだ、この待遇は!! と、今見たミュージカルで沈んでいた気持ちがバーッと明るくなった終わり方でした。彼は終演まで2時間近く外で待っていてくれたんですよ〜。次回行くことがあれば、彼の会社に近郊ツアーなんかを申し込むよ、なんて約束をしての帰路でした。

 

 

1日に4度もシャワーを浴びるほど暑い1日。夜の楽しみはパブストリートの中だけに非ず。シェムリアップに行く前からとても楽しみにしていたのが上述のミュージカルよりもサーカスでした。Phare Cambodian Circusは、貧しい農村の若者たちへの職業支援としてスタートしたサーカスです。貧困に悩む村の若者たちの多くが身体能力に長けていることに気付いたフランスの支援団体が、職業訓練をすることで支援をしていこうというユニークな取り組みを行っているのです。

昔ながらの小さなテント小屋のサーカス。始まる前にはテントの前で軽食とドリンクを楽しむことが出来ます。カンボジアっぽくはないけれど、食事の時間もないのでこの日はパニーニとビールで夕食を。シェムリアップの夜はとにかく蚊が多い。そのため、入口では虫除けスプレーがおいてありました。欧米人たちと「これこれこれ、必須だよね」と笑いながらスプレーしまくったのですが、後日薬局で購入するほど必須アイテムでした。

 

 

サーカス小屋の中は、A席とB席、C席に分かれており、値段が違います。一番良いセンターのA席で35ドルなのですが、どうせなら良い場所で見たいもの。しかも若者たちへの支援になるなら喜んで支払うよ、と出国前にオフィシャルサイトから予約をしました。(ホテルでも代行してくれますし、日本語で予約可能なサービスもあります)当日、入口でチケットを受け取ってみてびっくり!! なんと僕は最前列センターだったのです。かぶりつきじゃないですか!!

このサーカスにはアジアからの観光客はあまりおらず、両隣も欧米人たちでした。BやCブロックは価格も安く自由席ですが、A席は完全予約の指定席で(完売でした)、お水とお土産がふるまわれます。このお土産を作っているのも子どもたち。そう、このサーカスはサーカス団員たちだけで構成されているわけではありません。運動神経の良い若者はサーカス団員となりますが、音楽に長けたものは音楽を担当し、手工芸に長けたものたちはお土産品を作って販売しているのです。案内係員もそうした若者たち。全てが手作りでアットホームなサーカスです。

 

 

かぶりつきで見たサーカスは、サーカスというよりもアクロバティックなマッスルミュージカルに近く、笑いあり、緊張感あり、ストーリーありでグイグイと引き込まれます。写真撮影もOKなのですが、観るのに忙しく、撮影する観客たちはほとんどいませんでした。目の前での演技なのに撮影するなんて時間がもったいない。アクロバット演技では失敗も何度かありましたが、失敗を失敗と感じさせないスキルに拍手喝采で、とにかくあっという間の1時間でした。特別な大技がなくとも、大掛かりな機械がなくとも、人々を楽しませることは十分可能なのです。ホントに素晴らしかったよ。

 

 

最後は、全ての観客が彼らと記念撮影をすることが可能です。最後には募金も募るのですが、そこでもつい10ドルを入れてしまったほど楽しめました。チケット代と募金は、抱えている1,200人の団員と150人のアーティスト活動費となるそう。演目はたくさんあるようで、日々入れ替わりで上演されますので、何度も足を運んでも飽きないようになっています。次回、シェムリアップに行くことがあったなら、是非また行きたいゾ。

 

 

サーカス終了後の足はバイクタクシーだったのですが、連れてきてくれた若者が外で待っていてくれたので、すぐに見つけて手を振ってくれました。興奮さめやらぬまま、心地良い夜風を楽しみながらバイクでホテルに帰る・・・帰りつくまで楽しい時間でした。

クメール人たちの多くは、観光地の物売り少女たち意外は、とても人懐っこくて親切だというのが全体的な印象でした。カンボジアはまだまだ発展を続ける国です。案外ネット環境は良いし、食事もタイほど辛くはなく日本人好みな上に、オシャレなお店がとても多い。更には昔ながらのマーケットも残っている。タイからわずか1時間で行ける国ですので、是非機会があれば旅行してみて下さい。飽きることなく楽しませてくれる国ですよ。

(22/03/2016)

 

 

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