*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Sampleレヴュー (Scent Stories : Volume 2)

 

五感をテーマとした5種の香りがVolume 2となりました。全ての香りがレイヤリング推奨のもので、重ねてオリジナルにして欲しいという内容です。Volume 1と同じボトルで、全てがナンバリングされているところも同じです。

 

■Coda (2015年)

五つ目は聴覚でイメージは冬。時間を彩る音楽もまた、嗅覚同様に思い出の場所や空間に連れて行ってくれるもの。

 

 

アルデヒド、プラム、フローラルノート、ウッディノート、レザー、ムスク

レザーウッディとムスクは冬には温かな香りだと思いますが、こちらの香りは5つの中では一番可愛らしさを感じるフルーティーフローラルが軸となっています。ただ、トップで可愛らしさを出した後、香りはどんどん渋くなり、ミドル以降はメンズなのではないか、とも思えるほどのアンバーウッディノートへと変化して落ち着きます。少しフルーツの余韻を残したアンバーウッディノートの様子はとてもセクシーで、レザーがもっと強かったらもう少し男性的になっていたことでしょう。(18/12/2015)


■Forever Now (2015年)

四つ目は嗅覚でイメージは秋。嗅覚はいつでも記憶の中の風景を映し出してくれる、連れて行ってくれるマジカルタイムマシーン。

 

 

コリアンダー、ピンクペッパー、ゼラニウム、アルデヒド、フランキンセンス、シダーウッド、サンダルウッド、レザー、シスタスアブソリュート

出ました、フランキンセンスとアルデヒドの組み合わせが。こちらの香りはトップでアルデヒドとスパイスがキラキラと輝いた後、樹脂系の甘いアンバーノートを含んだフランキンセンスが香るようになっています。レザーや他のウッディノートよりもアンバーノートの方が強く、少し甘めなラストへと引き継がれていくのです。トップがとてもさわやかというか明るく出来ているのに、フレッシュなままでは終わらないというやはり秋冬向けに作られたのだ、という意図が読める調香となっています。飽くまでも軸はフランキンセンスであり、ゆっくりと静かに香りが持続していきます。(18/12/2015)


■Chef's Table (2015年)

三つ目の香りは味覚で、イメージは夏のプロヴァンス。シェフのテーブルというタイトルの中身はガスパッチョ。トマトとカシス、アイリスで作ったガスパッチョにバジル、セージ、ローズ、トンカビーンを加えで作ったガスパッチョにシェフが最後に加えたのがアンバーグリスとムスクだというストーリー。

 

 

ベルガモット、バジル、セージ、トルコローズ、トマト、ブラックカラント、アイリス、トンカビーン、アンバーグリス、ムスク

付けた瞬間溢れ出てくるのはシトラスのシャワー。グリーンノートとシトラスが鮮やかなオープニングを飾ったかと思うと、香はすぐにハーブたちへと移ります。クラリセージとバジルだけではなく、トマトを表現するグリーンノートや微かなブラックカラント系のグリーンノートがフィグリーフに使用するステモンというグリーンノートに包まれて香るのです。なんとなく印象としてはChanelのBel Respiroを彷彿とさせるグリーンで、こちらの方がベースが弱い分明るいグリーンが際立ちます。全体の軸はステモンですので、フィグリーフに感じる方も多いのかもしれません。(17/12/2015)


■Plush (2015年)

二つ目の香りは触覚。タイトルは縫いぐるみで、春をイメージしたような繭に包まれるイメージだそう。

 

 

ガルバナム、アルデヒド、イランイラン、ジャスミン、オレンジブロッサム、アンバーグリス、バニラ、カシミアウッド、アイリス、パチョリ、ムスク

調香だけではわからないパラレルなピラミッドです。バニラがトップから香りアルデヒドを包み込んでおり、アルデヒドというアクセントが甘いだけで終わらない香りとしています。ガルバナムはわかるかわからないか、程度のアクセントで、瞬間ふっと登場して消えてしまいます。春と言えば春なのかもしれませんが、フローラルノートが全面に出て来ない分、配分としてはベースが強く、スイートノートに少しパウダリーノートとジャスミンを、それらをたっぷりのムスクで包み込んだというもの。繭の中という温かなムスクのイメージを、清潔感を感じるランドリー的なアルデヒドを効かせて表現したもの。(17/12/2015)


■Ad Lumen (2015年)

最初の香りは視覚で、目を開けると広がるまぶしい光。全てが白いヴェールに包まれ、薄らと見えている。

 



トップ:イタリアンベルガモット
ミドル:ジャスミン、ローズペタル
ベース:ホワイトムスク

もう、調香が全てです。というか、ミドルノートがとても弱く、肌の上ではほとんどシトラスムスクでした。このムスクは数種類を重ねて厚みを出しているのですが、ランドリー系の軽やかなものが多く、甘くもわもわと残るものではありません。イメージ画像のように清潔感のある明るいシトラスムスク。とてもシンプルですので場所も性別も選ばないものとなっているのですが、これが240ドルはちょっと・・・。ただ、レイヤリングするには必要な1本だと思います。(17/12/2015)

 

<MiN New York Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜