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Sampleレヴュー

 

■Shaghaf (2017年)

Endress curiosityという香り。運命付けられたようにたどりつく場所。いつも踏み出す一歩は新鮮で、毎日が旅のようだ。心を開き、常に新しいものを家に迎え入れる用意をしている・・・という美しさとスリルが混在した日常を好奇心という視点で捉えた香り。

トップ:カルダモン、ジンジャー、シトラスノート
ミドル:レザー、タバコ、シダーウッド、カシュメラン
ベース:パチョリ、ウード、アンバー、バニラ、トルーバルサム、オポポナックス

たどり着く、帰る場所はウードだったというわけです。とてもアニマリックなウードがカルダモンとジンジャーを従えて香るのですが、ムエットではあまり感じなかったアニマリックさにびっくりです。ジンジャーの方がカルダモンより強く、どちらも精油感たっぷりなのですが、それを押しのけるようにアニマリックなウードがうねるのです。アニマルノートとスパイスが一段落すると、香りはレザーやタバコを含んだオリエンタルウードへと変化して落ち着いていくのですが、スパイスとアニマルノートが弾けるトップの印象がとても強く、そこでリタイアしてしまう人も多そう。でも、こうした香りこそクセになるんですよね。(12/07/2017)


■Mahaba (2017年)

My loveという香りで、テーマはまさに愛。愛というのは女性の優しさ、可愛らしさに男性の力強さを合わせて完成する、というもの。

トップ:ペティグレン
ミドル:ローズ、ジャスミン、イランイラン
ベース:トンカビーン、バニラ

これこそ豪華フローラルだろうと期待すると、とても甘いハニーバニラで始まります。とにかく甘い。そうだ、中東は暑いからスイーツも驚くほど甘く、甘さ控えめに慣れた日本人にとっては口に出来ないほどのものだったことを思い出しました。この香りもとにかく甘い。甘さが強すぎてフローラルが見えないのですが、ルークムのようなスイーツの香りだと思えばこれはこれでありだと思います。いつの時代もどの国も、女性たちを虜にしてきたのは甘い甘いスイーツであり、男性はいつもそれを手土産にして訪れるのでしょう。香っているとどことなくバニラの甘さの中にストロベリーを感じてくることもスイーツらしさを際立たせています。(12/07/2017)


■Rahaba (2017年)

Welcome to my lifeという香り。温かな空気が肌を撫で、部屋に入ってくる。持ってきたギフトの香り、風の香り、客人の優しさやその人の香りまでもが空気として入ってくる。そう、これはウェルカムルームの香り。

トップ:オレンジ、ジン、パイナップル
ミドル:ダマスクローズ、ローズドゥメイ、アイリス
ベース:トンカビーン、サンダルウッド、バニラ、アンバー、アーモンド、トルーバルサム

フローラルブーケが広がると思いきや、フレッシュなスイートフローラルが広がりました。フルーティーではない、でもどこかケミカルでファッションフレグランス的なハーモニーでスタートするのですが、そのフレッシュで甘い部分にアーモンドがあるのです。それが次第に甘く甘く溶けて広がり、フローラルはどこへやら、ローズは全くわからなくなり、スイートオリエンタルへと形を変えていくのです。肌に残るラストノートは大流行しているアンバーグリスノートを軸としたアンバーオリエンタルとなって消えていきます。トップからミドルは、アメリカの雑貨にありがちなテイストで、僕はYankee Candleを思い出してしまいました。中東らしくはないけれど、部屋は香り豊かにしてそうですよね。(12/07/2017)


■Sa'adah (2017年)

My happinessという香り。朝日が昇り、音と香りで目覚める。思わず零れる笑みというのは、通りすがりの人々にも伝わっていくものであり、それが幸せにつながっていくのだと。少し宗教的でもありますが、愛という名の思いやりは人々を幸せにしていくはずだと僕も思います。

トップ:オレンジ、ローズ、パイナップル、ネロリ
ミドル:ヴァイオレット、シダーウッド、イランイラン
ベース:サンダルウッド、バニラ、トンカビーン

可愛らしいフルーツがツンとした酸味で輝いたと思ったら、次の瞬間から大きなヴァイオレットの波に飲み込まれ、ヴァイオレットウッディへと変化していきました。パイナップルの残り香は、腐敗寸前の酸味に近くて好き嫌いが分かれるところだと思うのですが、この中では良いアクセントとなってヴァイオレットに馴染んでいきます。たっぷりのシトラスがすっきりと目覚めるというのがイタリアを初めとした各国のイメージでしょうから、こうしたパイナップルで目覚めるというのは斬新です。しかも、次の瞬間明かりが消えたようにフロリエンタルへと変化していくのですから。表現したポイントは目覚めではなく笑顔に満ちた愛なんでしょうね。(11/07/2017)


■Samaha (2017年)

I'm glad to see youという香り。この後にagainが付いて、再会した時の喜び、その人を待つドキドキ感を花束という形にして表現したもの。彼がアラビアの家にはあまり花を飾っているイメージがないかもしれないけれど、飾っているんだよ、と語っていたのが新鮮でした。これは、家に招待して再会した時の様子なんでしょうね。

トップ:シトラスノート、マリンノート
ミドル:ジャスミン、ネロリ、ピンクペッパー、ローズ
ベース:シダーウッド、ムスク

肌に乗せた瞬間、香り馴染みのあるマリンフローラルが広がりました。降っぁションフレグランスに良くあったタイプ、それも最近は減ってきたけれど、10年前頃はたくさんあったであろうという香り。でも、他と違うのはマリンノートのバランスがとても良いことです。マリンではあるものの、強くはなく、でもニュアンスがある。香りは次第にジャスミンからローズへとスライドし、フローラル感が豊かになっていくのですが、全体的な軽やかさ、シンプルなテイストは変わらないままですので、明るく楽しく可愛らしいマリンフローラルブーケと言えます。こういう香りは中東らしくないので、少し斬新に感じられるかも。(11/07/2017)


■Salam (2014年)

晴れた日の午後、二人は道で出会った。お互いに一目惚れした出会いの香りとは? その瞬間、家からはフレッシュなフルーツの香りが流れ、辺りは花の香りに包まれた・・・まさにバラ色の瞬間を香りで表現したような感じで、Looking into your eyesという香りです。

トップ:マンダリン、ベルガモット
ミドル:アンバー、ジャスミン、マグノリア
ベース:サンダルウッド、ムスク

香りは調香の通りにシトラスアンバーが軸にあり、その上にジャスミンが重なったフロリエンタルで始まります。トップで感じられたフローラル感が次第に薄れ、あまりハニーではないバニラアンバーがオリエンタルに香る、というのが全体像です。イタリアやヨーロッパというよりもアメリカがイメージしたオリエンタルという印象で、とてもシンプルな作りとなっていますので、ミドル以降が少しこってりしてきたな、と感じたらシングルノートの他のフローラルやシトラスなどを重ねても良いでしょう。(11/07/2017)

 

 

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