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Sampleレヴュー

■Conquerante (2017年)

征服者となった、ジャンヌダルクの香り。当初このシリーズはポートレートコレクションではなく、オードゥジャンヌという名付けられていました。調香はThierry Blondeauです。

トップ:メタリックノート、ヘイ
ミドル:ガルバナム、ペッパー、フランキンセンス
ベース:アルデヒド、レザー

鉄の鎧をイメージしたメタリックノートに、田舎道を進むガルバナムにヘイ、そこにアルデヒドとペッパーを重ね刺激的に。更には彼女の持つ聖女性をフランキンセンスにしたという、香料の1つ1つに理由がある納得の香り。後は、それらのバランスが良ければとてもステキな香りになるわけですが、やはりメタリックにアルデヒドとなると個性的になっていきます。冷たさを感じるほどのメタリックさ、アルデヒドではなく、ガルバナムが効いているのが特徴で、レザーやフランキンセンスはあまり強くは香りません。グリーンアルデヒドのカテゴリーで良いのではないでしょうか。(27/06/2017)


■Liberatrice (2017年)

解放者という意味の香り。調香はAnatole Lebretonが担当。

トップ:スパイシーウッディ
ミドル:フランキンセンス、シダーウッド、カーネーション、ローズ
ベース:パチョリ、ケード、スモーキーノート、クミン

Adoualaと間違えたかと思うほど似たような香りです。スパイシーにも感じるフランキンセンスにクミンが重なるというスパイシーなウッディノートが軸にあり、Adoualaより少しドライで軽いかな、という程度。良い香りで僕は好みなのですが、そっくりな香りが2つあると、オリジナリティがないと言わざるを得ません。クミンはトップで消え、長くは続きません。(27/06/2017)


■Mystique (2017年)

ジャンヌダルクのミステリアスな一面をテーマとした香り。人々を魅了しはじめた頃のイメージでしょう。調香はThierry Blondeauです。

トップ:リリー、ヒヤシンス、ウィステリア
ミドル:ヴァージンアコード、フランキンセンス
ベース:ミルラ、ホワイトヴェールアコード

教会のそれこそマリア様に通じるイメージで作られたと思うのですが、ヒヤシンスとウィステリアが前に出てきて、ガルバナムの青さが大切なリリーを邪魔してしまっています。もっと純粋にリリーとフランキンセンスを軸とした香りにすれば良かったのに、Thierry Blondeauさんはガルバナムがお好きなのでしょうか。ガルバナムをホワイトフローラルムスクでまとめたという香りですね。(27/06/2017)


■Purete (2017年)

ジャンヌダルクの無垢な処女性をテーマとした香り。調香はAnatole Lebretonが担当。

トップ:エレミ、ベルガモット
ミドル:ラベンダー、イランイラン
ベース:ホワイトムスク、ベンゾイン、コパル

フランキンセンスの代わりにエレミを使用し、清潔感を感じるラベンダーとホワイトムスクでピュアなイメージを表現したものと思われます。ラベンダーとホワイトムスクのコンビネーションはステキで、そこにイランイランが加わったことによる厚みも良いのですが、トップのエレミが少し騒々しくトップで香ります。アロマティックな香り方ではなくスパイシーに香っているため、テーマに合わせるのであれば、もう少し柔らかくスタートした方が良かったのかもしれません。(26/06/2017)


■Enfance (2017年)

ジャンヌダルクの少女時代をイメージした香り。調香はAnatole Lebretonが担当。

トップ:ベルガモット、ガルバナム、ゼラニウム
ミドル:オレンジブロッサム、ヘリオトロープ、ミモザ
ベース:トンカビーン、バニラ、モス

ガルバナムの香る少しパウダリーなフローラルブーケが軸となっていて、クラシカルなパウダリーフローラルをガルバナムでグリーンにしたという、母親だか子どもだかわからない香りで、透明感のある草原をイメージした香りの方がイメージには合っていたのではないでしょうか。香りとしてはクラシカルさがあって良いと思うのですが、合成香料のグリーンノートの方が美しく表現出来ていたと思います。ガルバナムが抜けた後は、スイートパウダリーな香りとなって肌に残りますので、少女のイメージは赤子に近いものだったのかもしれません。(26/06/2017)


■Cathedrale (2017年)

Les Eaux Normandes Collectionの中で比較的わかりやすいタイトルです。それはカテドラルがあるから。

トップ:ベルガモット、シダーウッド
ミドル:ラベンダー、ウード、モス
ベース:ムスク、ベンゾイン

ゴシックにまとめられたものだと想像していたのですが、ウードにラベンダーは珍しいと楽しみでした。でも香りはウードというよりも鉛筆のようなオイリーなウッディノートが軸にあり、やがて静かなアンバーウッディへと落ち着いていきます。ベルガモットとラベンダーが、フゼアではないもののどこかざわざわとした囁きを、そこからゴシックな静寂に・・・という印象でしょうか。カテドラルですから。アロマティックにまとめたアンバーウッディムスクです。(26/06/2017)


■Portrait (2017年)

オフィシャルサイトには少女の顔があるのですが、誰のポートレートなのかわからないという致命的な問題が。

トップ:マンダリン、ベルガモット、ガルバナム
ミドル:ホワイトフローラル、ネロリ、ヘリオトロープ
ベース:ホワイトムスク、トンカビーン、バニラ、モス

シトラスアロマティックというくくりにしておきながら、どうしてかこれはガルバナムを甘くしてみました、という香りに感じます。トップのシトラスは爽快に感じられるほど強くはなく、ガルバナムが少し苦みばしって香り、そこからゆっくりとガルバナムがありつつもグリーンではないフロリエンタルへと変化していくのです。良く言えばNo.19風のラストですが、やはりグリーンをバニラで甘くしていくというのは、どこか違和感を感じるものです。ガルバナムが消えてくると、スイートムスクが少しモスと重なって柔らかく香りますので、トップの違和感を乗り越えれば、といったところ。(26/06/2017)


■Violette Rebelle (2017年)

Anatole Lebretonによる調香で、タイトルはヴァイオレットの反乱。

トップ:グリーンアップル、シクラメン
ミドル:ヴァイオレットリーフ、ヴァイオレット、シダーウッド
ベース:ムスク、アンブロキサン

ヴァイオレットリーフとグリーンノートは相性が良く、ヴァイオレットとフルーツの相性も良いはずなのに、とてもミスマッチで顔をしかめてしまうトップで始まりました。グリーンアップルとヴァイオレットがミスマッチなのでしょうか。香りはすぐにカラメルアンバー系ヴァイオレットへと変化し、アンバーウッディヴァイオレットへと続きます。ヴァイオレットはウッディノートとも相性が良いのですが、ラストノートになって初めて馴染む香りとなります。好き嫌いが分かれそうですのでご注意を。(23/06/2017)


■Eblouissants Reflets (2013年)

ジヴェルニーにあるクロードモネ財団のために作られた最初の香り。こちらはご夫妻が調香をされたようですよ。

トップ:ベルガモット、チェリーブロッサム、ジンジャー
ミドル:ガーデニア、スズラン、ジャスミン
ベース:シダーウッド、ムスク

亡くなるまで43年間を過ごし、蓮の池があることで有名な作品に登場する観光地ですが、香りは少しパウダリーなスズランというか、ある意味どこにでもありそうなフレッシュフローラルとなっています。お土産品としてはこうした香りでないと困るよね、という典型で、マニア心は全くくすぐられないのですが、万人が手にしやすい系統としてまとめられています。大きな特徴がないのも特徴の1つなのですが、やはりそこはガーデンですから、もう少しグリーン系のフレッシュなものでも良かったのかな、と思ってみたりも。庭園は広いので、どの場面を切り取るかで香りも大きく変わるでしょうけどね。(23/06/2017)



■Ambre 35 (2017年)

Coeur Noirとはまた別の、Anatole Lebretonによるアンバー。35は成分の数であると共に、ショップがあるお店のアドレスでもあります。

トップ:オポポナックス、ペルーバルサム
ミドル:ローズ、パチョリ
ベース:ラブダナム、バニラ、ベンゾイン、ムスク

基本的に印象としてはCoeur Noirととても良く似ています。香りの軸が同じなのだから似ていて当然なのですが、消費者としてはどちらか1つで良いところでしょう。細かく比較していくと、こちらにはラブダナムがあり、もう少しどっしりとしたテイストなのに対し、Coeur Noirはベンゾインが前に出てくるアンバーです。残り香はラブダナムになりますので、最終的には別の香りになっていくわけですが、共に柔らかな甘さで、ラブダナムがあるかないか、くらいしか違いはないのかも。(22/06/2017)


■Kastellorizo (2017年)

アフリカというくくりの中で、こちらだけがギリシアをテーマとした香りに。だから、フィグなのです。ギリシアでは昔からフィグの栽培が盛んですから。調香はAnatole Lebretonです。

トップ:マスティック、エレミ、ダヴァナ
ミドル:フィグリーフ、フィグ
ベース:セビリアラベンダー、サンダルウッド

ギリシアと言えば有名なのがマスティックですから、それとそれを彷彿とさせるエレミを同時に用いてフィグをアロマティックに仕上げたもの。フィグリーフとフィグの果実の両方を使用していますが、どちらに傾くことなく、グリーン過ぎず、ココナッツ過ぎないフィグが肌に残ります。ラベンダーはベースノートで出てくるものではありませんが、最後まで登場せず、でした。フィグにはココナッツがある分、ウッディノートの中ではサンダルウッドが一番相性が良いため、教科書のような組み立て方ですね。さらりと使えるアロマティックなフィグですから、夏にぴったりなのではないでしょうか。(22/06/2017)


■Adouala (2017年)

タイトルは正式にはA Doualaで、アフリカのカメルーン最大の都市を意味しています。調香はAnatole Lebretonが担当。

トップ:フランキンセンス、シダーウッド
ミドル:クローヴ、ローズ、シナモン
ベース:パチョリ、ケード、スモーク、クミン

香りは、クミンの効いたスパイシーオリエンタルです。クミンはベースではなくトップにあり、スパイスと共に勢い良く香るのですが、それらを少しアロマティックにまとめているのがフランキンセンスで、クミンがカレーになっていないのが好感触。ドライでツンとしたシソっぽい香り方をしている精油らしいテイストで、ユニセックスというよりはメンズっぽいかもしれませんが、いろいろな香りに飽きたら、夜くらいはこうした香りを楽しんでも良いのではないでしょうか。カメルーンという国自体に馴染みはありませんが、少しスモーキーに香るスパイスたちが旅に連れ出してくれそう。(21/06/2017)

 

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